スタディクーポンの問題点とは?
勉強を頑張りたくても、経済的な事情で塾に行けない子どもを救ってくれるスタディクーポンですが、一部問題視されている点があります。最後に、スタディクーポンを取り巻く問題点をまとめていきましょう。
高校受験対策を学校ではできないという前提
スタディクーポンの取り組みを問題視する人から、「中学校での教育だけでは高校受験の対策ができないのはおかしい」「学校教育を諦めることにつながるのではないか」という声が出ています。しかし、スタディクーポンは学校がダメだから塾に行こうというスタンスではなく、子どもの教育格差があくまでも学校外の教育に起因していることを問題視し、それを解決しようとする取り組みなのです。
財源を安定して確保する仕組みの不足
2020年からは、東京都全体の制度として発足するスタディクーポンですが、その前はクラウドファウンディングを通して財源を確保していました。つまり、寄付金で事業をしているということですから、財源が毎年安定して確保できるわけではないという問題があります。東京都以外でスタディクーポンを広げるには、やはりクラウドファウンディングなどを利用する必要がありますから、財源を安定させることがこれからのスタディクーポンの課題となるでしょう。
一部地域だけしか対応していない
スタディクーポンは、これまで東日本大震災の被災地や渋谷区で配布され、2020年からは東京都全体で配られることになりました。このように、まだスタディクーポンは一部地域しか対応しておらず、全国の低所得世帯の子どもにも支援が届くにはまだまだ時間がかかりそうです。活動の範囲を広げるためには認知度を高め、地方でスタディクーポンを広める人や寄付の賛同者を集める必要があるでしょう。
おわりに
スタディクーポンは、学習塾や家庭教師などを割引価格で利用できるクーポンです。経済的な事情で塾に行くことができない低所得世帯の子どもたちに、配布されます。スタディクーポンは教育格差を無くし、子どもの勉強に対する姿勢を向上させることにつながっています。しかし、まだ一部地域でしか配布されていないので、これからどれだけ活動範囲を広げられるかが注目されています。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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