「空の巣症候群」とは子どもが独り立ちをする時期、子育てを終えた母親が「家庭という巣」に取り残されたような気分になり、喪失感や無力感・不安感に襲われることを指します。まだまだ先のことのようにも感じますが、備えあれば憂いなし。子どもが巣立つ前から対処しておけるような、空の巣症候群にならないための「秘訣（ひけつ）」はあるのでしょうか。
空の巣症候群は、具体的にどんな症状？
空の巣症候群（エンプティ・ネスト・シンドローム）は、主に40代から50代の子育てを終えた女性が陥りやすい「抑うつ状態」の症状です。何が原因で起こり、どのような症状なのでしょうか。詳しくみていきましょう。
空の巣症候群になってしまう原因は？
子どもが進学や就職・結婚などで自立していくと、女性は自分が巣に取り残されたような気持ちになります。夫も仕事で忙しい世代で家に不在なことも多いことから、喪失感・空虚感など自分は世の中にとって必要無い存在なのだとまで考えてしまうことが主な原因です。また世代的に更年期と同時期に起こることも多いため、悪化しがちです。
空の巣症候群の精神的・身体的症状
空の巣症候群の精神的な症状は、虚無感・空虚感・自信喪失・うつ傾向などがみられます。言いようのない寂しさにとらわれる方もいます。また身体的にも頭痛・肩こり・食欲低下・胸苦しさ・吐き気などの症状があり、自律神経失調症やうつ病に似ているといえるでしょう。最初は少し具合が悪いだけかな、と本人が気づかなかったり、病院でも誤診されてしまったりすることもあるほどです。
悪化すると、このような症状になってしまうことも
空の巣症候群では、先に挙げたような症状や心の寂しさから逃避するために、台所にこもって飲酒を重ね、キッチンドリンカーとなり、ついにはアルコール依存症に陥ってしまうことがあります。またうつ傾向がひどくなり、次第に本当にうつ病になってしまうことも。また症状を理解してくれない夫と離婚に至ってしまうケースもあるのです。
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空の巣症候群になってしまったら？
もしご自身や家族が空の巣症候群になってしまったらどうすれば良いのでしょうか？まずは「空の巣症候群になったかもしれない」との自覚が必要ですが、症状が軽度な頃から別の症状に悪化してしまった場合まで、それぞれの段階で取るべき対処法をご紹介します。
空の巣症候群になりやすい人の特徴
まずはどのような性格やタイプの人が空の巣症候群になりやすいかみてみましょう。
内向的で外出が苦手で家にいる方が好き、自分のことは置いて子育てに没頭しがち、子どものことが人生すべてと思っているような人は空の巣症候群になりやすい傾向があります。いわゆる「良妻賢母」タイプの方は特に注意が必要かもしれません。
症状が軽いなら、リラックスして気持ちを切り替える
軽度の不眠や気持ちの落ち込みなど、症状が軽いうちは病院やカウンセリングにかかる必要はないことがほとんどです。まずはリラックスして体を十分に休めることが必要です。そして体が休まったら、子どもは独り立ちするものだと考え、自分自身の生きがいを見つけましょう。何もせず、寂しい気持ちに溺れていてはますます悪化してしまうおそれもあるのです。
なかなか回復しない場合は専門家の助けを
体を休めても、気持ちを持ち直そうとしてもなかなかうまくいかず、回復しない場合にはカウンセリングを受けたり、心療内科や精神科・メンタルクリニックなどを受診したりしましょう。また家族の理解と支えも大変重要です。仕事が忙しく、子育てを妻に任せっきりだった夫はなかなか理解してくれないこともありますが、家族が症状を理解し一緒に乗り越えられるようサポートしてもらうことが大切だといえます。
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音楽・ガーデニング・おいしいものが大好き主婦です。
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