夏休みの宿題の計画を立て、そのとおりに実行するのは難しいものです。ほとんどの子どもは、夏休みが終わりに近づくと、宿題に追われて焦りだすことも多いのではないでしょうか?そんな子どもたちの味方として、「宿題代行サービス」というものがあります。たしかに助かるサービスではありますが、親などの中では、賛否両論がわかれています。ここでは、宿題代行サービスについてご紹介します。
宿題代行サービスってどういうもの?
宿題代行サービスの是非の前に、まずは、「宿題代行サービスとはどんなものか」を詳しくお話しましょう。現在は、さまざまなサイトで宿題が取引されていますが、価格相場や内容などは一体どのようになっているのでしょうか?
宿題代行サービスの詳しい内容とは
宿題代行サービスとは、代金を支払い、宿題を代わりにやってもらうサービスです。宿題というのは、各教科のプリントやドリルから自由研究、読書感想文まで多岐にわたりますよね。ですので、宿題代行サービスの内容も同じようにさまざまです。小学生や中学生など、年代によっても宿題の内容は違いますが、自分の求めている宿題代行が必ず見つかると言われるほど網羅されています。最近では、宿題代行サービス業者の売り上げは、どんどん伸びているそうですよ。
宿題代行サービスにはいくらかかる?
宿題代行サービスには、大きく分けて、業者が行っているものと個人が行っているものの2種類があります。個人の方は、フリマアプリなどで販売しているようですので、結局は言い値ですね。一方、業者の場合はある程度の相場があり、ドリル1ページ数百円〜、作文1文字6円〜、という価格帯です。ただし、年代が上がるごとに相場も上がる傾向にあり、高校生の自由研究ともなると、2万円近くかかる場合もあるとされています。
宿題代行サービスを利用する人ってどんな人?
宿題代行サービスを利用する人はさまざまですが、傾向としては、「進学を考えている親子」が多いようです。進学に直接結びつかない絵日記のような宿題は、時間の無駄という考えの方もいるようです。つまり、お金を払ってでもそれを代行してもらい、子ども自身は進学塾の宿題や夏期講習に集中するということですね。また、単純に宿題が多すぎて子どもの手に負えず、親が手伝っても間に合わないため、苦肉の策として代行業者に依頼するというパターンも多いそうです。
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宿題代行サービスが子どもに与える影響
宿題代行サービスを利用すれば、お金と引き換えに宿題をやらずに済みますが、ことはそう単純ではありません。宿題をやらずに済むとはつまりどういうこと?大切な成長期の子どもにどのような影響がある?気になることは山積みです。また、宿題代行サービスが世の中に登場した背景についても考えてみましょう。
宿題代行サービスを利用すると先生にばれる?
宿題代行サービスの利用を考えたときに最初に気になるのは、「先生にばれるかどうか」ということではないでしょうか?自分でやっていないと先生にばれてしまっては、宿題代行サービスの意味がありません。そのためサービス提供者は、わざと答えを間違えたり、子どもの筆跡をまねしたりと、プロとしてさまざまな対策をします。しかし、毎日子どもたちと向き合っている先生もプロです。全てがばれるとは言い切れませんが、可能性は十分にあると言えるでしょう。
先生にばれなければ子どもは平気?
たとえ、サービス提供者の技術が高く巧妙で、先生にばれなかったとします。それならいいのでしょうか?ばれなければ問題がないですか?答えは「いいえ」だと言えるでしょう。自分で宿題をやっていないことを一番、痛いほど知っているのは子どもたち本人です。宿題を他人にやってもらい提出するのは、「うそをついてもばれなければいい」という考え方を子どもたちに教えてしまうことになります。これは、宿題どころか、今後の人生に影響する大きな問題になるかもしれません。
宿題が大量にあることの是非につい
そもそも宿題は、何のために存在していると思いますか?それまでに学習したことを長期休みの間に忘れてしまわないよう、学力が定着するように宿題があるのです。しかし、長期休みに普段会えない親戚と交流したり、家族の時間を満喫したりするのも、子どもたちの成長にとっては重要なことではないでしょうか?どちらかだけでは不十分で、どちらも大切なのです。もしかすると、先生はそもそもの宿題の量について、見直してもいいのかもしれませんね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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