人口世界一の中国が今、少子化問題にさらされていることをご存じですか?一人っ子政策が施行されていたこともあり、少子化とは無縁のようなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。今回は、少子化問題に直面している中国の実態と影響、対策についても併せてご紹介します!興味のある方は参考にしてみてくださいね。
中国の現状と今後の人口比率推定
人口世界一を誇る中国も、現在は少子化の時代に差し掛かりました。人口が増え続けていくイメージもある中、人口比率推定をみると人口の減少と並行して若年層もより一層減少する見通しです。それに対し高齢者はほぼ横ばいと「少子高齢化」が進行する予測がされています。
2015年の出生率は世界最低だった
中国で実施された”小普査”によると、2015年の中国の合計特殊出生率はわずか1.05%であることが判明しました。これは日本の出生率をはるかに下回る結果となり、中国の人口置換水準である”2.1″という数字の約半分であったということを意味します。さらに、出生率が低いということは、人口が大幅に減少する傾向であるということを示しているのです。
中国の合計特殊出産率には謎がある
中国では計画生育政策に反して生まれた子どもには戸籍の登記が認められていないため、農村部などを中心に戸籍のないいわゆる「闇子」が大量に存在します。人口センサスにおいてデータ収集や分析を行っているにもかかわらず、こうした闇子隠しによって申告漏れが生じているのです。闇子と呼ばれる子どもは、学校教育を受けることのできる年齢になると戸籍登録をしなければならず、その機会に浮上するため、出産率と人口統計の動きが比例しないことがあるのです。
合計特殊出生率と各要素の関係性
中国では、生産年齢人口(15歳〜49歳)の比率が高くなるほど出生率は低下しています。また、所得水準が高い地域や高学歴を持つ人口比率が高い地域ほど出生率は下がる傾向にあります。一方で、農村部では計画生育政策である「1.5人政策」が実施されていることもあり、農村人口比率が高い地域であればあるほど、出生率は高くなるのです。
合わせて読みたい
少子化によるメリット・デメリット
少子化と聞くとデメリットばかり考えてしまいがちですが、これまでに人口が増加し続けていた中国にはさまざまなメリットもあったのです。ここでは、中国の少子化が国内にもたらしたメリットとデメリットについてご紹介します。
一人っ子政策による人的資本の蓄積
一人っ子政策が施行されるまでの中国は、人口の増加率も比較的高い状態でした。その間に生まれた人たちは1980年代に入り成人し家庭を持った際に、子どもの数を制限されることにより子どもにかかる養育費・教育費が減少し、家計には余裕ができ始め、貯蓄率も上昇したのです。これにより豊かになった家計は子どもへの教育投資を増加させ、人的資本が蓄積されたことにより高度成長に貢献したと考えられています。
労働市場における需要と供給・賃金の上昇
一人っ子政策によって人口が減少しつつある中国では、人手不足の進行がみられていました。これにより、1人あたりの賃金も急上昇を遂げていたのです。そのため、中国の経済において労働の絶対的な過剰人口から相対的な人口不足へと転換したことによって、高度成長が終焉(しゅうえん)し、安定した経済時代が到来する見通しがされています。
少子化と並行して高齢化が急増!
近年における中国では合計特殊出生率は下がったのに対し、平均余命においては伸び続けています。これに伴って高齢人口の急増を推定すると、高齢者一人を支える生産年齢世代は2020年には5.9人、2030年には4.2人へと減少する可能性があるのです。長きにわたり計画生育政策が施行されている中で、社会保障サービスが不十分であることを考えると、非常に重い社会問題といえるでしょう。
合わせて読みたい
1歳の息子がいるシングルマザーです。最近は息子とのお菓子作りにはまっています。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。