保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。 3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。 生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/保育記事監修者プロフィール:伊藤美緒先生
「自由保育」と「設定保育」、この二つの保育の違いについてご存じでしょうか?わが子を幼稚園や保育園に入園させる際に気になるのは、その園がどのような理念に基づいて保育を行っているのかということですよね。今回は、自由保育と設定保育についての説明やメリット・デメリット、さらに、園を選ぶ時のポイントについて具体的に紹介していきます。
「自由保育」って具体的にどういうこと?
まず「自由保育」について説明していきます。自由保育とはそもそもどのような保育形態を指すのでしょうか。自由保育のメリット・デメリットにはどのようなものがあるのかという点とあわせ、順番にみていきましょう。
自由保育=放任・野放しの保育?
自由保育と聞いて、放任や野放しというイメージが頭に浮かんだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、これは大きな間違いで、自由保育の本質は子どもたちが自ら考え、行動できる力を育むというところあります。保育士はその「自ら伸びる力」を実現させるための手助けをし、実りある成長へのうながしをする立場です。ただやみくもに遊ばせるだけの放任や野放しの保育とは根本的に異なるのです。
自由保育のメリットが知りたい!
自由保育のメリットは、子どもがそれぞれ好きな遊びに思い切り打ち込めるというところにあります。そして、同じ興味を持つ子どもたち同士でまとまりやすくなり、そのかかわりが多くなるため、遊び友達が自然に広がっていきます。さらに、保育者も子ども一人一人の興味を理解しやすくなるので、それぞれの個性を伸ばすための手助けがしやすくなります。
自由保育のデメリットが知りたい!
自由保育の場合子どもたち同士の自由な関わりあいが増えることから、どうしてもトラブルが起こりやすくなってしまうというデメリットはあります。また、小学校への入学後に集団活動への適応にやや時間がかかってしまうかもしれないという可能性も否定はできません。保育者にとってみても、子どもそれぞれの発達や個性にあわせた働きかけが必要であるという大変さもあります。
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「設定保育」って具体的にどういうこと?
次に、設定保育についてみていきましょう。自由保育と比べて設定保育は保育内容がどのように異なっているのか、そして設定保育におけるメリットとデメリットはどのようなものがあるのかという点について順番に説明していきます。
設定保育と自由保育の決定的な違いとは
設定保育は保育者が活動の中心となる保育形態を指します。保育士がある目的ごとに指導案を作成し、それに基づいて保育が行われます。園全体で、もしくはクラス単位やグループ単位で、子どもたち全員同時に同じ活動を行うというところが自由保育と完全に異なる部分です。一斉に活動を行うことから、設定保育は「一斉保育」とも呼ばれます。
設定保育のメリットが知りたい!
設定保育のメリットとしては、子どもたちがこれから社会の中で生きていくのに欠かせない、集団の中での行動が身につくという点にあります。集団で活動をすることによって、子どもたちの中に集中力や忍耐力が育まれます。また、集団で何かを成し遂げたという達成感はなにものにも代えがたい感動です。保育者がねらいを持って活動に取り組んでいるため、子どもたちもスムーズに活動へ入っていけるというよさもあります。
設定保育のデメリットが知りたい!
設定保育で育った子どもは、決められたことを集団で行うということに慣れるため、指示待ちになりがちというデメリットがあります。活動内容を示されないと動くことができないということは、自主性・主体性が育ちにくい環境であるということでもあります。保育者にとっても、集団の中にいる子どもそれぞれに配慮しなければならないという大変さもあります。
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二人の男の子の母です。もともと野球ファンでしたが、今は息子の影響ですっかりサッカー狂になりました。
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