パパが育児に協力的な「イクメン」も当たり前のような風潮になってきました。赤ちゃんの親として、夫婦二人で育てる考え方が浸透してきた結果ではないでしょうか。
しかし、現在「仕事」と「育児」の板挟みなったパパが「イクメンブルー」に陥るという現象があります。
ここには、男性の育児休暇取得への壁が大きく関わっているようです。
「イクメンブルー」はなぜ起こるのか
イクメンがもてはやされてから数年がたち、今では「イクメンパパ」が大勢存在し、育児の大変さや楽しさを夫婦で分かち合っている家庭が多くなりました。しかし、仕事や家事、育児を頑張った結果、「産後うつ」のように、パパのメンタル不調をきたす「イクメンブルー」という、うつ状態に陥ってしまうことも。
そもそも、イクメンブルーとは何なのか?
ほとんどのパパは仕事をしながら、育児をしています。朝から晩まで会社で働いた後、家での時間も家事や育児に割かれる毎日に、心が疲弊していくのです。これは「自分も家事・育児を頑張ろう」という意識が高いパパだからこそ陥る状態で、仕事も家庭も完璧にしたいという気持ちに押しつぶされてしまった結果だと言えます。
一部の女性からは甘えだという声も上がっている
しばしば、イクメンブルーが産後うつと比べられることから、「イクメンブルー」は甘えだという声も聞かれます。女性は避けることのできない「ホルモンバランスの崩れ」とも戦いながら、育児のストレスも抱えているというのが理由です。また、共働きのママやシングルマザーは同じことをしているのに、しっかりと役割を果たしているという意見もあります。
仕事をしながら育児も全力で…は難しい
実際に男性が仕事をしながら、育児も家事も何もかもきちんとこなすというのは大変なことです。時間や体力の面でも相当な努力が必要ですし、何よりすべてのことに「プレッシャー」を感じながら毎日を過ごさなければいけません。精神面もかなりすり減らしながら過ごすことになるでしょう。共働きのママやシングルマザーとは社会的にも家庭的にも立場が違うのですから、それらを比べようとするのは難しいことなのです。
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男性の育児休暇取得の現状は厳しい
男性が育児休暇を取得した件数は、女性とは比較にならないくらい少ないです。育児休暇を取りたいと希望をするパパは年々増加傾向にあるのですが、なぜ取得数は伸び悩んでいるのでしょうか。それには日本の男性と女性の「役割」に対する考え方が根底にあるようです。
2021年の取得率は過去最高の「13.97%」
厚生労働省の発表によると、2021年の女性の育休取得率は85.1%。男性の取得率は13.97%だったそうです。やはり、女性と男性で大きな隔たりがあります。
しかし、この男性の取得率でも過去最高であったわけですから、少しずつではありますが増えてはいるようです。ですが、この男性の育休取得には、大きな問題が隠れているのです。
育休が取れても半数が期間「5日未満」
女性が育休を取得する場合、保活も視野に入れつつ1年前後を目安にしている場合が多いですが、男性は約半数の56.9%が育休の期間を育児休業給付金の支給条件に満たない「5日未満」です。5日程度の休みが、果たして育児のためになるのかどうかははなはだ疑問です。そう考えると、5.14%の育休取得率の半分が、本当の意味での育児休暇ではないと言えるのではないでしょうか。
パパに育休の意思があっても、会社の理解を得られない
これは、パパになる男性が「5日くらい休めばいいだろ」と思っているわけではなく、5日程度しか休めない状況だからという場合も多くあるようです。できることならもっと育児休暇を取りたいのだけど、会社での立場や上司への印象など、さまざまなしがらみから、少し長めの有給休暇程度にしか育児休暇を申請できないのです。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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