妊活に限らず、健康的な生活を営むためにはさまざまな栄養素が必要です。今回はそのなかから、「複合炭水化物」についてとり上げましょう。
「炭水化物はあまりよくないって聞くけど、大丈夫なの?」「そもそも複合炭水化物って何のこと?」「複合炭水化物はどんなものに含まれているの?」「複合炭水化物の調理方法は?」こんな疑問にお答えします。
複合炭水化物とはそもそも何か
最初に、聞き慣れない単語である「複合炭水化物」について見ていきましょう。私たちが普段口にしている「炭水化物」は、実は「複合炭水化物」と「単純炭水化物」に分けられています。単純炭水化物は、ブドウ糖などが多く含まれているものです。これはすぐに体のなかで分解されて吸収されます。チョコレートやケーキなどがその代表例です。
対して、複合炭水化物というのは、単純炭水化物が寄せ集まって完成されているものです。単純炭水化物に比べると、吸収がゆっくり行われるという特徴があります。複合炭水化物は、一度単純炭水化物に変化して、そこから単純炭水化物と同じ工程を経てから吸収されるからです。
単純炭水化物は、食後急激に血糖値があがります。しかし複合炭水化物の場合は、血糖値は緩やかにあがっていきます。ただし、「血糖値が高い時間」は、複合炭水化物の方が長くなります。
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炭水化物は本当に悪者?~炭水化物のメリットと複合炭水化物の考え方
炭水化物の話をすると、しばしば、「炭水化物は人間にとって必要なものじゃない」「毒みたいなものだ」「大量のカロリーが入ってくることになるので、体に悪い」と過激な意見を目にすることになります。しかし炭水化物にもメリットはあります。
炭水化物はエネルギー源ですから、これが長期的に不足してしまうと、疲労感が強くなり、集中力がなくなるなどの症状が見られます。ひどい場合には、意識障害を起こしてしまうことすらあります。もちろん、炭水化物のとりすぎは肥満につながりますが、決して無視をしてよい栄養素ではないのです。これを前提として、複合炭水化物のメリットについても見ていきましょう。
複合炭水化物は、妊娠をしている人にとって大きな意味を持つ栄養素だと言えます。複合炭水化物には、ミネラル分なども含まれており、つわりによる吐き気の症状を改善する可能性がある、と考える向きもあります。
「複合炭水化物にはこれくらいとらなければならない」という明確な基準はありません。ただ、現状としては、カロリー全体の6割程度を、複合炭水化物でとるのが望ましいと考える栄養士もいます。
また、単純に「炭水化物」として考えた場合でも、1日の摂取カロリーのうちの半分程度はこれから摂取することになると言われています。
複合炭水化物が含まれている食べ物は?
複合炭水化物は、全粒粉のパンやパスタ、玄米などからよくとれます。野菜のなかでは、エンドウ豆やジャガイモ(皮つき)、トウモロコシなどによく含まれています。炭水化物をとるのであれば、ケーキなどよりも、こういったものからとることをおすすめします。
次のパートでは、これらを上手に使う料理方法をご紹介します。
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33歳。B型。既婚。
妻の妊娠を通して、赤ちゃんができる喜びを経験する。妊娠中の過ごし方や注意点など身を持って体験中。妊活については全般の記事の執筆を担当。
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