子どもの急な発熱や体調不良で仕事を休まなくてはならないとき、看護休暇を取ることができます。有給休暇とは異なる制度で運用されていますが、看護休暇は労働者に認められた権利のひとつ。制度や仕組みを知り、賢く活用しましょう。
看護休暇は子育て世代のための休暇
看護休暇は、子育て世代のための休暇です。「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」通称「育児介護休業法」によって、定められています。少子高齢化が進み、労働人口が減っていく中、家庭と仕事を無理なく両立できるよう、制度が制定されました。平成4年に制定され、平成29年、令和3年に改正して施行されました。
子どもの病気を理由に取得できる
看護休暇は、子どもが病気になったりけがをしたりして、看護が必要なときに利用できる休暇です。取得できる期間は、子どもが生まれてから小学校に入学するまでの間に限ります。また、子どもの病気や体調不良のみならず、検診や予防接種でも取得することができます。日数には上限があり、子どもがひとりの場合は1年で5日。2人なら、10日間の取得が可能です。3人以上でも、10日が限度です。
令和3年の改定で時間単位の取得も可能になりました。
派遣やパートでもOK
看護休暇は、派遣やパート職でも取得できます。男女の区別なく、どんな労働者にも与えられた権利です。ただし、日雇いの労働者は除きます。また、労働組合と経営者との話し合いによって、継続雇用6カ月未満の人や、週に2日以下の勤務の人は、例外として除くこともあります。この除外は、労使協定が結ばれていないと無効なので、会社に確認してみましょう。除外の決まりがなければ、勤続年数の浅い人でも取得の権利があります。
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看護休暇を取る前に確認すべきこと
看護休暇の取得は、国によって労働者に保障された権利ですが、細かな部分の運用は、個々の会社に任されています。「会社には看護休暇の制度がないから取れない」というのはまちがいです。雇用主は、労働者が看護休暇の取得を申請したら、社内制度の有無にかかわらず、必ず受理しなくてはなりません。ただし、制度の内容はある程度会社の裁量ですので、事前に確認が必要です。
有給or無給?会社によって制度が違う
看護休暇は、申請されたら断ってはいけない、という強い拘束力を持っています。しかし、この休みが有給扱いになるか、無給扱いになるかは、会社によって異なります。会社の就労規則は、基本的に労働組合と会社の話し合いや交渉によって決まります。労働組合のない会社は、経営者が定めた規則に従うようになっています。どのような規則になっているか、会社に確認しておくと安心です。
病気の証明は必要?提出を求められる場合も
看護休暇は、子どもの病気や、検診・予防接種以外の理由では使えない休暇です。そのため、証拠の書類提出を求められることがあります。その場合、病院のレシートや幼稚園の連絡帳でよしとするよう、厚生労働省は通達しています。医師による診断書を求められた場合は、あきらかに過剰な負担です。法律的には提出しなくても問題ありません。ただ、そうは言っても「会社の決まりだから」と言われれば、はっきり主張するのは難しいでしょう。こちらも事前に確認しておきましょう。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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