出産後を母子同室で過ごすデメリットは?
メリットがたくさんある母子同室ですが、その一方でデメリットもあります。母子同室がよいという方もデメリットをきちんと知っておくことで心構えができますし、対策もすることができます。以下に、デメリットを三つご紹介します。
出産後で疲れているので動き回るのが大変
出産前は陣痛で体が疲れ、出産でもたくさんの力を使うので、出産後のお母さんはヘトヘトの状態です。会陰切開をした方や、帝王切開で出産した方は傷が痛むこともあります。そんな状態で、赤ちゃんの面倒を見るのはとても大変です。動くたびに体が痛むと、お世話どころではない場合もあります。出産後の体をねぎらってあげるためには、母子別室の方が望ましいかもしれません。
赤ちゃんが泣いてぐっすり眠れない
新生児はまだ朝、昼、夜の感覚がないので、夜にまとまって寝ることはなく、睡眠や授乳、排せつをただ繰り返すように生活します。だいたい3時間おきに起きるのが普通だといわれています。もし母子同室の場合、3時間おきに赤ちゃんが泣いて起こされてしまうので、お母さんはまとまった睡眠をとることができません。赤ちゃんが小さい間はしばらくこうした生活が続くので、せめて入院している間は看護師などに面倒を見てもらい、ゆっくり寝る方がいいという意見もあります。
赤ちゃんのお世話の仕方が分からない
母子同室になると、授乳などあらゆる育児を自分でしなければいけません。出産経験のある方ならまだよいのですが、初めて出産したお母さんは、どうすればよいか分からないことがほとんどでしょう。看護師さんに気軽に聞ける病院なら問題ありませんが、なかなか聞けない環境であれば困り果てて精神的に疲れてしまうかもしれません。そこで、母子同室にするなら育児について聞きやすいかどうかをチェックした方がいいでしょう。
おわりに
昔は、母子別室にするのが普通でしたが、最近は母子同室のメリットが多くあることから母子同室にする病院が増えてきています。しかし、母子同室には体を動かすのが辛かったり、ぐっすり眠れなかったりというデメリットもあります。そこで、メリットもデメリットも把握しながら、どのように過ごすのかを決めた方がいいでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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