夫婦の執行猶予「離婚約」は、あり？なし？

婚約ならぬ「離婚約」についてご存じですか？エア離婚とも呼ばれる、離婚に向けたお約束。そんな離婚約をかわすメリットとはどのようなものでしょうか。

この記事では離婚約の概要とともに、実際に離婚約をする際の注意点もご解説します。手続き上のこと、そして今後の家族関係のことなどなど。結局のところ離婚約って、あり？なし？と疑問に思われている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

本番前のエア離婚？注目される「離婚約」とは

夫婦になる約束をとりかわす、婚約。ともに人生を歩む約束があれば、その反対もあります。婚約ならぬ「離婚約」、あなたも一度は耳にしたことがあるでしょうか？離婚約とは読んで字のごとく離婚に向けたお約束を意味します。つまり、夫婦関係を解消して赤の他人にもどるお約束です。

離婚約がブログや書籍で話題に

「離婚約」という言葉を世に広めたのはお笑い芸人であるインスタントジョンソンのじゃいさん、といわれています。自身のブログで『今2歳の息子が小学校へ入る4年後に離婚をするという、離婚約をしている。』と告白して話題になりました。これを皮切りに離婚約に関するネット上のつぶやきや記事、書籍などが飛び交うこととなりました。

タレントの小島恵子さんは、離婚を突き付けた夫との関係を「エア離婚」という言葉で表現しています。有名人の離婚にはもはや驚かされないご時世ですが、『〇年後に離婚する』という、ある種の”予約”は珍しいかもしれません。「それまでどうするの？」「本当に離婚するの？」とさまざまな疑問が湧きあがります。

離婚約に法律上の拘束力はナシ

さて、お気づきかと思いますが離婚約は造語の一つで、法律用語ではありません。いかに当人同士が「離婚する！」と固く決心していても、離婚届を提出しないことには離婚の効果は生まれません。では何のために離婚約をするのかというと、今の結婚に期限を決めることに意味があるのだそう。

「〇年後」「子どもが〇歳になったら」離婚するとあらかじめ約束しておくことで、離婚に向けたさまざまな準備ができるそうです。離婚約は夫婦関係の清算に向けた執行猶予とでもいえるでしょう。

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離婚約は「アリ」？執行猶予をつけるメリット

夫と離婚したい。そう決心した妻が選んだ道の一つが離婚約です。話としては分かる気がするけれど…結局のところ何のために離婚約が必要なのでしょうか？ここからは離婚約をする意義やメリットをご解説します。

離婚約で気持ちを整理する

気持ちとしては今すぐにでも離婚したいけれど、それができない。子どもが小さかったり、夫婦で事業を営んでいたり、あるいは親が大病を患っていて今は看病が大変だから、などなど。離婚を切り出すに切り出せない期間が何年も続くとなると、その間ずっと夫婦としてふるまい続けなければなりません。
「この人と一生いっしょにいるのはムリ」という気持ちが「離婚約」という形で表現されるのではないでしょうか。期限をもうけて離婚の意思を伝えることで、気持ちの整理ができる人も多いようです。

そして夫婦関係がうまくいかないときは、夜の営みをどうするのかも大きな問題。望まない関係を強いられないためにも、あらかじめ離婚意思を伝えておくことは大きな意味を持ちそうです。

離婚約のおかげで余裕をもって離婚準備ができる

「結婚は簡単、離婚は大変」というのは離婚経験者からよく言われることです。お金のこと住む場所のことなど、決めることは多いのに話し合いはすんなりとは進みません。子どもがいれば親権と養育費の問題も発生し、本人の意思もかかわってきます。通常なら別居の段取りとお金の清算、そして弁護士とのやりとりなどを急ピッチで進めざるを得ません。その手続きの過程で言い争いになることもしばしば。

そこで、離婚約の形を取り数年かけてじっくり話し合いをするご夫婦もいるそうです。時間を十分にかけることによってお互い納得のいく形で離婚にたどり着けるとしたら、まさに理想的ですね。

離婚約で再構築の道をさぐる

離婚約のニュアンスは夫婦によって千差万別です。離婚することは確約済みというケースもあれば、どちらかというと、「保留」というニュアンスで離婚約を使うケースもあるそうです。
離婚の意思とその理由を伝えたところで夫はどう反応するのか、その反応次第で最終的な結論を出す。つまり、再構築の道を残す意味で離婚約をする人もいるのです。

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