子育てが終わり、夫婦だけの生活になる熟年世代。結婚当初のような気持ちも薄れてしまい、夫婦の関係性が変わってくるため、熟年離婚を考える方もいるのではないでしょうか?しかし、最近は離婚ではなく、卒婚を選ぶ方が多いのだとか。今回は、そんな卒婚について詳しく説明していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
卒婚は新しい夫婦の形として熟年世代に人気!
最近メディアでも頻繁に取り上げられている『卒婚』。言葉自体はご存じの方も多いことでしょう。老後は夫婦仲良く穏やかに…なんていっていたのはひと昔前のこと。老後は夫婦のあり方を見直す絶好のチャンスでもあるのです。では、卒婚とは一体どのようなものなのでしょうか?
卒婚って一体どういうものなの?
卒婚とは“結婚を卒業する”という意味から生まれた造語で、結婚という形を継続したまま夫婦それぞれが自由に人生を楽しむという新しいスタイルのことです。卒婚は同居・別居を問わないため、たとえ別居していたとしても、お盆や年末年始、誕生日など家族が集まる日に会うことも可能です。離婚すると子どもや孫にも会いにくくなってしまいますが、卒婚はそのようなこともなく、夫婦のお互いが納得しているためギクシャクした雰囲気にもなりません。
卒婚と離婚の違いを知っておこう
卒婚が婚姻関係を維持したままなのに対し、離婚は夫婦関係を完全に絶ってしまうもの。離婚の理由は人それぞれですが、価値観の違いやモラハラなど、どちらか一方、もしくはお互いが一緒にいる時間を苦痛に感じていることが多いものです。しかし、「離婚するほどではないけれど、お互いに自由に生きたい」と考えている方は、お互いが必要以上に干渉することなく、それぞれに第二の人生を楽しむことができる卒婚を選択することで、前向きな夫婦関係を続けていけるのです。
卒婚のタイミングや期間はどれくらい?
最近では、20〜30代のうちから卒婚を選択する夫婦もいますが、卒婚率が高いのはやはり子育てが終わった50〜60代の熟年世代で、特に夫が定年退職を迎えるタイミングで卒婚を考えている方が多いのが特徴です。卒婚を選択する夫婦は、お互いのことは嫌っていない場合がほとんどですので、中には夫婦のどちらかが病気になったら卒婚は解消しようと考えている方もいます。卒婚を決める際には、お互いの将来についてもきちんと話し合っておくことも大切です。
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夫婦が卒婚したいと考える理由とは?
卒婚には離婚のようなリスクがないことから、夫婦関係が悪くない方たちの間で、新しい選択肢として広まってきています。卒婚を選ぶ夫婦にはさまざまな理由があると思いますが、どのようなことがきっかけで卒婚を選んでいるのか見ていきましょう。
相手を気にせず一人の時間を楽しみたい
“女性は縁の下の力持ち”という言葉もあるように、今までは陰で夫や家族を支えてきた妻が、夫から離れて一人で自由に生きてみたいという願望も持つようになり、卒婚をしたいと考えるようになることもあるでしょう。これまで家事や育児、夫の世話などに追われていた専業主婦に多いといわれています。卒婚によって家事などの負担が減ると、自由に使える時間が大幅に増えますので、趣味や習い事など、今まで我慢してきたことを始めるという人が多いようです。
やりたかったことに挑戦したいから
一方、男性に多い理由には、セカンドライフを精いっぱい楽しみたいということがあります。一家の大黒柱として働き続けてきた男性は、定年退職を機に、今までと違ったことをしたいと考える方が多いのです。例えば、趣味やボランティア、ジムに通う、得意なことで起業する、田舎でのんびり暮らすために卒婚したいという場合も。今まで生活のためにしていた仕事をする必要がなくなった開放感と、自分らしく生きたいという願望を持つ男性が増えているのです。
親の介護のことで迷惑をかけたくない
50〜60代というと、親の介護をしなければならない方もいるでしょう。実家が遠く離れている場合は、両親が老人ホームに入居していたり、ホームヘルパーが介護してくれたりするような状況であればあまり問題はありませんが、在宅介護を決めている場合は、介護をするために実家に帰らなければなりません。自分の家に引き取ると、相手にも負担がかかることになるため、「自分の親の介護で迷惑をかけたくない」という思いから、卒婚をして親の介護をするという人も多くいます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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