現代人にとってスマホは欠かせないアイテムです。ところが、その便利な道具が原因で起こる諸問題があります。中でも驚くのは「スマホ離婚」です。スマホで離婚することなんてあるの?と思っている人もいるでしょう。スマホが原因で家庭が壊れてしまう「スマホ離婚」は、旧世代には理解できないものかもしれません。「スマホ離婚」の原因、防止法についてまとめました。
「スマホ離婚」典型的なふたつのケース
厚生労働省がまとめた人口動態統計によれば、日本人の離婚率は平成14年をピークに、減少傾向にあります。離婚にいたる年数は5年未満がもっとも多く、約6万5000組となっています。離婚の原因はさまざまですが、テレビ番組でも取り上げられた「スマホ離婚」については、大きくわけてふたつのケースが考えられるようです。
スマホをのぞき見して浮気がバレる?問題発覚型
テレビ番組で取り上げられた「スマホ離婚」のケースは、昔ながらの問題発覚型です。多くの場合、「夫が長時間スマホをいじっている」「お風呂に入っているときですら離さない」という状態を妻が不審に思い、浮気が発覚します。スマホを指紋認証でロックしていたり、暗証番号を使用していたり、夫側も防衛をしているのですが、中にはまったく対策を講じていない無防備な人もいて、結果的に離婚にいたるのだそうです。疑惑の発端は、やはりスマホの使いすぎ。家ではスマホを放置して、家族との時間を最優先していれば、もしかしたらバレなかったかもしれません。ほかには、ソーシャルゲームにハマって課金していることがバレて、問題になるケースもあります。
スマホ依存によるコミュニケーション不全型
もうひとつの「スマホ離婚」のケースは、典型的なスマホ依存によるものです。これは男女問わず、起こりうる可能性があります。「長時間、場所をわきまえないスマホの使用」に加え、「夫婦のコミュニケーション不全」が原因になります。お互い仕事や子育てで忙しく、夫婦で一緒にいられる時間は1日のうち数時間。その間にスマホをずっと見ていれば、コミュニケーションが不足するのは当然です。日々のすれ違いは徐々に価値観のズレを引き起こし、性格の不一致を原因とした離婚に発展することに…。
合わせて読みたい
「スマホ離婚」の注意点
離婚にはお互いの合意が必要です。合意がない場合は裁判をして離婚を成立させる必要がありますが、その際には、裁判所が認める離婚理由が必要になります。浮気はれっきとした理由になりますが、スマホ依存は離婚理由にするには少し弱いというのが専門家の判断です。
スマホ依存の判定基準
スマホ離婚の大きな原因になるスマホ依存は、中学生や高校生の子どもたちにも見られる症状です。スマホの利用は、TwitterやLINEなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や、インターネットサーフィン、動画配信サービス、ゲームなど、多岐にわたります。これだけたくさんのことができれば、使用時間が長くなるのは当然かもしれません。自分や配偶者がスマホ依存かどうか判定するには、いくつかの基準があります。スマホを持っていないと落ち着かない、ネットを見ていたらいつの間にか長時間たっていた、など、ポイントは無意識である点と、行動の抑制がきかなくなる点です。使用時間はひとつの目安にすぎませんが、1日3~4時間を無意味に費やしているとしたら、心配な状況だといえます。
スマホ依存だけでは慰謝料請求が難しい
スマホ依存は、アルコールやギャンブル依存のような依存症だと考えられます。しかし、精神的な治療が必要だと判断されない限り、スマホ離婚をしても慰謝料の請求は難しいでしょう。スマホを長時間使用しているだけでは、離婚理由として認められている「婚姻を継続しがたい重大な事由」とは判断されないのです。病的なものでない限り、スマホの長時間使用によるコミュニケーション不全は、性格の不一致と同程度の事由ということになります。「スマホ離婚」を考えている人は、踏み切る前によく考えてみてくださいね。
合わせて読みたい
子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。