発達障害は、基本的に目に見える疾患ではありません。お見合いに限らず、一定のお付き合いを経て結婚した場合でも、結婚後に夫が発達障害だと判明することもあるといわれています。そのようなときは、どうすれば良いのでしょうか?接し方を誤ると、関係性が悪化することもある発達障害。ここでは、夫の発達障害の乗り越え方とコミュニケーション術について、ご紹介します。
発達障害の夫の特徴とはどういうもの?
発達障害の夫と上手に生活していくには、発達障害の人がどのような特徴を持っているのかを正しく理解しておく必要があります。個人差はもちろんありますが、以下に発達障害の特徴を、例を交えながらお話しします。
著しく空気が読めない場合がある
発達障害の夫は、その他の人と比べて、著しく空気が読めないという特徴を持っています。例えば、複数人で食事に行こうと話をしていて、大多数がラーメンにしようという意見を出していたとしても、カレーが食べたいと言い張ったりします。周りは「空気を読んでほしい」と感じるのですが、本人にしてみれば、ただカレーが食べたかっただけなのです。まとまりを乱そうという意図は全くなく、純粋にカレーが食べたいから、そう発言したに過ぎません。
ちょっとしたことで機嫌が悪くなる
発達障害の夫は、想像力が十分でない人が多く、物事を柔軟に考えるということができないといわれています。そのため、他の人にとってはささいに思えるような事柄が原因となって不機嫌になってしまう場合があります。例えば、「今日はあのお店に靴を買いに行こう」と決めていた日に、目当ての靴屋が臨時休業だったということもあり得ますよね。ですが、「他の靴屋を見に行こう」「また次の休みに買いに行こう」と柔軟には考えられず、自分の目的が達成できなかったことに対して腹を立ててしまうのです。
異常なほどにこだわりが強すぎる
発達障害の夫の中には、独特のこだわりを持っている人がとても多いです。独特なこだわりというのは、人によってさまざまなのですが、例えば朝の仕事前には、コーヒーを飲むという自己ルールがあるとします。ですが、大多数の人は寝坊をしたら、コーヒーを諦めると思うのですが、発達障害の人は遅刻するとしても、コーヒーを飲まなくては気が済みません。彼らは、他人から見れば「そんな所にこだわらなくても…」と思うようなことに、仕事や生活に支障が出るほどこだわってしまうのです。
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夫が発達障害だと判明したときの考え方と対処法
自分の夫が発達障害だと分かったら、どのようなことに注意して過ごせば良いのでしょうか?発達障害の夫と共に暮らしていくために、心に留めておいた方が良いことをご紹介します。お互いに快適な生活を送るためには、ちょっとしたコツをうまく利用する必要があります。
自分の気持ちを察してもらおうとしない
発達障害の夫に、「言葉で言わなくても分かってよ」と期待をするのは辞めた方が賢明です。妻の多くは、夫に自分の気持ちを言葉にせずとも理解してほしいものですが、彼らは、相手の心をくみ取ることがとても苦手なのです。そのため、きちんと言葉にして伝えなければ、想像だけで理解するのが困難だとされています。また、素直で純粋な人が多いので、丁寧に言葉にしてそれが伝われば、うまくコミュニケーションを取ることができるようになるでしょう。
イライラせず、心にゆとりを持つ
発達障害の夫と接するときには、普段当たり前に行っているようなコミュニケーション方法では思うように意思疎通ができないことがあります。それにも関わらず、夫とコミュニケーションが取れないことにイライラしたり、彼らのこだわりを否定したりすると、関係は悪化する一方です。発達障害の夫と過ごすときには、うまくいかない部分も相手の個性だと認めて、「しょうがないなあ」と笑ってあげられる心の余裕を持つことが大切です。
相手と自分は違う人間だと理解する
発達障害の夫と暮らすときに何よりも大切なのは、相手と自分は違う人間なのだと自覚することです。夫と自分を同じ土俵の上で考えれば、うまくいかないことも多くなります。ですが、そもそも根本的な構造が全く違うのだと思うことができれば、日常生活の中で見つかる夫と自分とのギャップが、小さなことに思えてくるでしょう。そして、その違いを「個性」として捉えることで、毎日を楽しく過ごせるようになるかもしれません。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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