貧困世帯が特に多い地域の支援策とは?
同じ東京都内であっても、地域によって家賃や物価には格差が生じています。そのため、物価や家賃が安い地域に貧困家庭が多く居住することになります。そこで、生活保護世帯の多い地域は、独自にテーマを掲げて貧困対策を行っています。今回は、以前から子どもの貧困に徹底して策を講じている、足立区の活動内容をご紹介いたします。
足立区では子どもの貧困対策に専門部署を設置
東京23区内では台東区、足立区、板橋区を中心に23区北西部に生活保護受給世帯が集中しています。この地域は昔から多くのブルーカラー(製造業,鉱業,建設業)の労働者や職人が居住し、その地域性や地価の安さなどから今も低所得層の多い土地柄です。生活保護受給世帯が最も多い足立区では「未来へつなぐあだちプロジェクト」を策定し、問題に取り組んでいます。
足立区の掲げる具体的な貧困対策
足立区は平成26年8月に子どもの貧困対策本部を設置し、平成27年度に足立区子どもの貧困対策実施計画を策定しました。「教育・学び」「健康・生活」「推進体制の構築」を3柱とし、81の事業を通して具体的に貧困対策をしています。貧困を予防し、連鎖を防ぐために子どもが生まれる前から家庭状況の聞き取り調査をし、貧困世帯の社会的孤立を防ぐためのさまざまな事業を進めています。
「ひとり親世帯」への対策も重視
足立区ではひとり親世帯に給付される児童扶養手当の受給者も多く、ひとり親世帯への対策にも力を入れています。学用品や給食費の支払いを援助する就学援助や、資格取得を目指すひとり親への給付金などの支援が行われています。決して経済的な援助だけでなく、家庭の状況や生活習慣において子どもを孤立させず社会的な自立を促すための支援を目指しています。
おわりに
親の経済力と子どもの学力には深い関わりがあり、貧困により大きな潜在能力をもつ子どもが埋没することは国としても大きな損失となります。多くの人口を抱える東京都では、この問題の解決には多方面からのアプローチが必要です。特に育児や介護を抱えた人々や高齢者など、さまざまな立場の人にとって働きやすい労働環境が整うことが待たれます。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
仕事もしながら3歳の娘の育児を頑張る高齢ママです。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。