理想の夫婦とは「なんでも言い合える仲」とは言いますね。でも「親しき中にも礼儀あり」というように、何を言っても許されるのかというと決してそうではありません。たとえケンカをしていても、パートナーに対して言わない方がよいといわれているのが、「パートナーの親の悪口」です。
ここでは、パートナーの親の悪口がなぜ夫婦仲を悪くしてしまうのか、パートナーの親の悪口が言いたくなったときの対処法などについて、ご紹介します。
離婚の原因にも。パートナーの親の悪口で夫婦不仲に!
ある企業が「夫婦喧嘩におけるNGワード」というアンケートを行ったところ、第1位は「親を落としめる発言や悪口」という結果になったそうです。他にもQ&Aサイトなどを見ていると、「妻が自分の親の悪口をいうので離婚を考えている」「夫が自分の親を侮辱したので離婚しました」という声も多数あります。
中には夫ではなく、夫の両親に自分の親を悪く言われたので離婚した。という声も。「パートナーの親の悪口」は、夫婦仲を険悪にする最高の材料になるようです。
なぜパートナーの親の悪口で夫婦仲が悪くなる?
実際に親の悪口を言われて離婚を決意した方の中には、「自分の悪口は耐えられるけれど、親の悪口は耐えられなかった」と感じた方が多くみられました。たしかに誰でも自分の親のことを悪く言われると、よい気持ちではありません。なぜなら親は誰よりも、自分に愛情を注いでくれる存在だからです。
そんな親のことを悪く言われると、今まで注いでくれた愛情や年月さえも否定されたような気持ちになることでしょう。自分の親の悪口をいわれたことを想像してみると、とても心が痛くなりますよね。
たとえ義理の両親に問題があったとしても悪口は望ましくない
嫁いびりをする姑、夫を良く思わない妻父などによる嫌がらせやトラブルに対して、平静でいろという方が無茶な話です。そもそもトラブルさえなければ、悪口なんて出てきませんから、悪口を言ってしまう方は何かしら傷ついたり、不快な思いをしてしまったという方がほとんどでしょう。
しかしやはりパートナーに相手の親の悪口を言ってしまうのはNGです。自分は相手のことを「妻(夫)の親」ではなく、「1人の人間」として悪口を言っていても、相手にとってはやはり「親」。自分の親の悪口を耳にして、器用に立て分けるのは難しいと言えます。
ケンカ時&酔っ払い時には特に注意して!
普段は相手に親の悪口を言ってはいけないと分かっていても、ストレスが溜まっていたり、ケンカをしていて感情のコントロールが効かなくなっているときは、要注意です。特に夫とのケンカ時にはポロっと本音が出てしまいます。またお酒が入っているときなどにも、ついつい本音が出てしまうので用心が必要です。
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「パートナーに」親の悪口を言わずにすむ方法を考えよう
パートナーの親の悪口(本音)は、普段から相手の両親への怒りや不満を溜めこんでしまっているから出てしまうものと言えます。例えば、心のダムのようなものを想像してみてください。「パートナーに悪口は言わないでおこう」と思っても、怒りや不満を処理しなければ、どんどん溜まっていきます。
つまりダムの放流口を普段からしっかりと閉めていても、保水量に限界はありますから、溜めこみすぎるといずれは氾濫してしまうものです。
そうなると「相手に言わない(放流口を閉める)」だけではなく、「相手の両親への怒りや不満をどのように対処していくべきか(溜めこまない)」ことも、同時に考える必要があるでしょう。
ストレスを溜めこまないようにする
パートナーの親に対しての怒りや不満を溜めこまないようにするには、普段からいろいろなストレスを溜めないように心がけておくことが重要になります。自分の精神が落ち着いていると、両親と嫌なやり取りをしたり、何かを言われたとしても冷静に受け流せるでしょう。「あぁ、お義母さん(お義父さん)も心に余裕が無いんだな」「自分がひとまわり大きな器を持とう」などと考えると、少し気持ちが楽になりますよ。
友達に相談するようにする
どうしても、心の中に消化できない気持ちがある。そんなときはパートナーではなく、仲のよい友達に愚痴をこぼしてみてはいかがでしょうか?パートナーではなく、友達にいう分には問題はないでしょう。
ただしパートナーと共通の友人や知人に話すのはNGです。不必要にパートナーを貶めてしまう可能性がありますし、人伝いに悪口がパートナーの耳に入ってしまうことも否めません。もちろん自分の子どもに祖父母の悪口はいうことは絶対にNG。孫と祖父母の関係にも悪影響をあたえてしまうことにもなりかねません。
カウンセラーに相談することも選択肢に
仲のよい友達がいない、友達に家庭内のトラブルを聞かれることに抵抗があるという方もいるでしょう。そんな時には、カウンセラーに話を聞いてもらうという方法もあります。料金はかかりますが、カウンセラーは心に溜まった怒りの消化方法や、気持ちをコントロールするためのサポートもしてくれることでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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