母乳バンクの普及と発展のために
母乳バンクが母乳至上主義をますます加速させ母乳の売買を助長させると考える人もいますが、現在日本で進められている母乳バンクは、人工ミルクが大きなリスクとなってしまう赤ちゃんを救うための制度です。そのあたりの線引きを明確にし、制度を整えていくことが今後の普及のカギと言えそうです。
需要の高まりが予想される母乳バンク
高齢出産の増加や不妊治療などによる多胎児出産の増加などで、低体重で生まれる赤ちゃんは年々増加しています。また、医療の進歩により超未熟児の生存率も上昇し、NICUの需要は高まる一方です。そのため、母乳バンクの需要も当然あり、これからも高まり続けるはずなのですが、普及にはまだ時間がかかりそうなのが現状です。
母乳バンクで最優先すべきは「安全性」
母乳バンクで最も重要になるのは安全性の確保です。せっかくの母乳が赤ちゃんの害になることがあってはいけません。ドナーとなるママの選定基準や健康管理、搾乳方法、殺菌方法、保存方法など基準を設けるべき項目は多岐に渡りますわたります。母乳バンクが全国に普及し、どこでも安心して母乳の提供を受けられる環境を整えるためには必要不可欠です。
「母乳バンク」と「母乳取引」は分けて考える
母乳を譲り合うという視点では一見似ているようにも見えますが、母乳バンク制度と分けて考えなくてはならないのが、インターネットなどを介して行われる母乳の個人間取引です。このことは世界各国で問題となっており、感染症の危険や衛生面の問題などにおいて、あまりにも低い安全性から規制をするべきであるという流れになっています。
おわりに
日本の母乳バンクはまだまだ始まったばかり。これからクリアしていかなければならない壁もたくさんあることでしょう。けれど、母乳バンクを必要とする赤ちゃんは次々生まれてきます。「母乳バンクがあったなら」そう思わなくてすむ時代がやってくることを願わずにはいられません。
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7歳の男の子と4歳の女の子の母です。試行錯誤の子育てですが、子ども達に成長させてもらっています。
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