日本は出生数が減少しているのに低出生体重児の数が毎年増加している理由

日本では出生数は過去になく低い数を記録

産声をあげる赤ちゃん
日本での出生数は1970年代以降どんどん減少しています。2014人には最少になったため、2015年には4000人も増加したものの依然として出生数は減少しているのです。それではなぜ低出生体重児の数が増えているかというと、ひとえに医療技術の進歩のおかげです。

出生数の変遷を数字でみてみると?

出生数が減少する一因として考えられることは、婚姻件数の減少です。また離婚件数の増加も多少なりとも関係しています。さらに低出生体重児を出産した母親を年齢別にみると、45歳以上が一番多く全体の約2割を占めています。この先、初婚年齢が徐々に上がり、初産の年齢が高くなると低出生体重児が増加傾向になることも予測されます。

医療の発展の結果として低出生体重児が増加

現在、低出生体重児が増加しているのは未熟児に対応する設備や施設が充実してきたことが主な理由です。NICUなどの発達した医療機関では、1500g以下で生まれてきた「極低出生体重児」と「超低出生体重児」の生存率が90%を超えています。そして妊娠5カ月ほどに数百グラムで生まれてきた赤ちゃんが成長できる確率が高くなり、同時に低体重出生児数が増加し始めました。

地域の産院と総合病院の連携のたまもの

低体重出生児が生まれた時に、すぐ特別なケアを受けることができる環境にいることは重要なことです。地域には入院・出産ができる産婦人科が数件あります。その数は決して多くありません。しかし、地域の病院で妊婦検診時に胎児の成長を調べ、推定体重の推移をみて必要があればNICUのある病院への受け入れ態勢を整えています。

参考:厚生労働省 人口動態統計

参考:厚生労働科学研究成果

おわりに

NICUで療育を向けた場合には、自治体から療育費の援助が行われています。このことも低体重出生児がしかるべき処置を受けられる環境づくりの一助になっています。赤ちゃんがすくすくと育つ環境を、日本全体で整えていきたいですね。

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