人間の出産は満月と関係があるか
牛の出産については、日本の教授によるある統計が示されました。統計学的には関係があるという研究結果が出ていますが、理由はまだわかっていません。では、この研究結果は人間に応用できるものなのでしょうか？
科学的根拠はない
現在のところ、満月には人間の出産数が増えるという言い伝えに科学的根拠はありません。迷信、言い伝え、と分類されるものですが、だからといって問題が起こるわけではなく、基本的には無害なものです。この言い伝えを信じて「出産はこの日になるから大丈夫」などと無謀な旅行計画を立てたりしなければ、実害はないといえるでしょう。しかし、米澤教授の談によれば、こうした言い伝えは世界各国にあり、大掛かりなデータ収集も散発的に行われていたようですから、多くの人が実感し、不思議に思っているのは間違いないようです。
多様化する出産の形
医学が発展し、出産の形は大きく変化しています。日本でも数十年前までは、家庭で出産することが当たり前の時代でした。出産は女性にとって命がけの大仕事で、出産で命を落とすことも普通にあったのです。現代でも、医療機関の整っていない国ではかつての日本の出産事情と同じような状況が続いています。陣痛促進剤を利用した計画出産、多胎分娩を安全に行うための帝王切開、病院のスケジュールに合わせた計画分娩など、出産の形はさまざまに変化しています。「満月に出産が多い」と感じるのは、人類の自然回帰願望なのかもしれません。
おわりに
昔ながらの言い伝えの中には、先人の知恵が詰まった役に立つものもあります。頭ごなしに否定してはもったいないものは、教訓として覚えておくとよいでしょう。「満月の日に出産が増える」ことに関しては、信じても信じなくても特に大きな影響はありません。「あなたはどうだった？」と、お母さん同士で話題にして楽しんでみてはいかがですか。そのうち研究が進んで、なんらかの根拠が示される日が来るかもしれませんね。
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