事実婚とは結婚していない夫婦のことです。お互いが元々の名字を名乗り、対等な関係で生活できるスタイルではありますが、もし子どもが生まれた場合どうなるのでしょうか。ここでは事実婚をした場合に必要な手続きや、事実婚の子どもが法律上のどう扱われるのかを紹介します。まだまだ数が少ない事実婚の夫婦が、子どもを持つときに必要となる手続きなどをみていきましょう。
事実婚で子どもが生まれると認知が必要
事実婚のカップルは、入籍こそしていないものの、一緒に生活をしていくと約束した二人です。場合によっては子どもが生まれることがあります。
事実婚とは
事実婚とは実質上の夫婦のことです。既婚者同士でもなく入籍届を出せる状況ではあるものの、お互いの合意のもと婚姻届を提出していません。ただし一緒に暮らして夫婦としてやっていこうというお互いの合意もある状態です。なお、法律上は事実婚のことを内縁と言います。
手続きをしないと子どもの父親が空欄に
婚姻届を出して結婚した夫婦の場合は、子どもが生まれて「出生届」を提出すると子どもは自動的に両親の子になります。しかし事実婚の夫婦の場合、子どもが生まれた場合は女性が一人で生んだ状態と同じ扱いです。つまり出生届を出すと母親の戸籍に赤ちゃんが入籍して新しい戸籍が作られます。特別な届けをしない限り子どもの「父親」欄は空白になってしまうのです。
父親をはっきりさせる認知の手続きが必要
事実婚のカップルは夫婦として子どもを作ったのに、父親が戸籍に書かれないのは違和感がありますよね。そのため、事実婚の場合は父親が「認知届」という書類を提出して、戸籍の中でも子どもの両親が誰なのかをはっきりさせる必要があります。中には、子どもを認知しなくて済むように「出生届」を出すときだけ戸籍上で結婚をして、すぐ離婚するというカップルもいます。
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事実婚の子どもは法律上どう取り扱われる?
事実婚で子どもが生まれた場合、戸籍上は子どもを産んだ母親の夫がいないことになっています。そのため、子どもの父親は誰か、誰の名字を名乗らせるか、子どもを養育する者は誰か、という届けを個別に提出しなければなりません。
認知には三つの方法がある
子どもの父親をはっきりさせるには「認知」をしなければなりません。認知には三つの種類があります。特に事情がなければ胎児認知をしておくとスムーズですね。
胎児認知
母親の承諾のうえ生まれる前の子どもを認知する方法で、父親が母の本籍地に届け出ます。認められれば出生届に父親の名前を書くことができます。
任意認知
出生届を出した後に父親が認知する方法で、父親の住んでいる場所に届けるか遺言で示すことができます。認められれば、出生のときにさかのぼって親子として認められます。
裁判認知
男性側が認知をしない場合や男性が死亡した場合に裁判で認知をする方法で、強制認知とも言われています。
父親の名字を名乗る場合は届けが必要
事実婚では、子どもが生まれると母親の戸籍に入るため、最初は母親の子どもとして母親の名字を名乗っています。そこでもし子どもに父親の名字を名乗らせたい場合にはどのような方法があるのでしょうか。次の二つの方法があります。
- 入籍届を提出…名字を父親のものに変えるだけで、戸籍や親権は母親側に残ります。
- 養子縁組…戸籍、名字、親権をまとめて父親に移動させます。この場合母親側の親権がなくなってしまいます。
親権を父か母どちらか一人が持つ
親権とは、未成年の子どもを身分や財産を守って、教育させる権利や義務を追うことです。結婚している夫婦であれば手続きをしなくても両親が共同で親権を持ちます。しかし事実婚の夫婦の場合、両親が共同で親権を持つことができません。もし養子縁組をせずに親権を父親に移動させる場合には「親権管理権届」を提出します。
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30代後半のママライターで夫、5歳娘、3歳娘、2歳息子の5人家族です。セットメーカーで技術者として10年ほど勤務していましたが、出産と夫の転勤が重なり退職。実家から遠く離れた土地で生活しています。子育てのポリシーは毎日が面白ネタです。大変なこともありますが、日々ボケと突っ込みで乗り切っています。また、できるだけ家族が揃う時間が作ってコミュニケーションを大切にしています。よろしくお願いします!
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