日本では、妊娠出産や七五三などに際して、なにかとお守りや縁起物をいただいたり用意したりする風習があります。とてもありがたく、またうれしいものですが、そういったお守りや縁起物ってその後どうしたらいいんだろう…と少し困ることもありますよね。捨てるのはなんだか罰当たりだし、遠方の神社のものなんかはわざわざ返しにもいけないし…などと考えるとますますどうしたらいいかかわらなくなります。そこで今回はお守りや縁起物の処分の時期や方法について調べてみました。
お守り、破魔矢の持つ意味ってなに?
神社ごとにいろんなタイプのお守りや破魔矢がありますが、そもそもそれらが持つ本来の意味ってなんなのか、考えてみたことはあまりないのではないでしょうか。お守りや破魔矢の歴史や使い方などについて調べてみました。
お守りと破魔矢、歴史や起源って?
古くは霊力を持つ呪物(骨や鏡など)を常に身につけることで、神の力によって守られると信じられていたものが、時代の流れとともに形を変え、お神札やお守りとなりました。お神札は神棚におまつりするもので、それを小さくして常備できるようにしたものがお守りです。一方、破魔矢は、古くから全国各地で年始にその年の豊作を占うために行われていた弓射(きゅうしゃ)のときに使用したハマ矢が、のちに魔を破る破魔と表されるようになり縁起物として定着していったものです。また正月の男の子の遊びとして用いられてもいたものが、江戸時代以降は子どもの成長を願う縁起物として、装飾された弓矢が初正月や初節句に贈られるようになったのです。それが簡略化され、現在の矢だけの形になったのが破魔矢です。
お守りや破魔矢って、どう保管したらいい?
お守りは、その由来の通り常に身につけるということが大切です。自分の身代わりとなって厄災から守ってくれたり、ときにはお守りにこめられた「思い」を常に持っていたりすることで安心感を得られる効果もあるでしょう。いつも持っているものにつけたり、お守りそのものを首からさげたりするなどして、いつでも携帯していることが大切です。一方、破魔矢は、家の中の清浄な場所に飾るのが一般的です。清浄な場所とは、床の間や神棚となります。矢先をどちらに向けるかなど細かい決まりはなく、感謝の念を持って毎日きれいに神棚や床の間の掃除をして飾っておくのがよいでしょう。
お守りや破魔矢の正しい処分の時期って?
お守り、破魔矢ともに効果は1年が目安となります。1年を経過したら突然効果がなくなるというものでもないですが、1年の間に悪い気などを自分の代わりに受け止めてくれたお守りたちは、当初よりけがれているという考えのもと1年というタイミングでの処分が一般的となっています。年初の初詣の際に、古いお守りや破魔矢を感謝の気持ちとともにおたき上げなどの方法で返納し、また新しいものをいただいてこれからの1年の祈願をするというのが、うっかり返し忘れるということも防げておすすめです。
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安産お守り、腹帯はいつまで持っていいの?
お守りの歴史は古く、それぞれの分野に特化したお守りも多数あります。特に安産に関するお守りは贈り物としてもらう頻度も高く、気付けばいろいろな神社の安産お守りをいくつも持っているなんてこともあるのではないでしょうか。それらの処分と併せて、安産祈願の際に用意する腹帯についても、どのように処分を行えばよいのか調べてみました。
安産お守りや腹帯っていつから使用されていたの?
安産を祈願するという習慣は大変古くからあり、西暦200年代の応神天皇の母といわれている神功皇后の頃から行われていたといわれています。安産を願って建立された、その時代のお寺も現存することからも、いかに古くから続く風習かがわかりますね。出産は命がけの大仕事です。昔は今よりも医学が進歩しておらず、出産がより困難だったことから、神の力に頼る風潮が強くありました。その風潮は現代まで続き、今では多くの安産のお守りが存在するようになりました。一方腹帯は、おなかが大きくなってくる妊娠5カ月頃からおなかに巻くことで、冷えを防いだりおなかを支えたりするために用いられるもの。こちらも大変に歴史は古く、最初に使用したのは先の神功皇后といわれています。当時は宗教的な意味合いが強く儀式として巻かれていたのが、時を経て現代の腹部保護や縁起物としての使用のされ方に変わってきたのです。
安産お守りや腹帯、その身につけ方とは?
以前は安産のお守りは腹帯の間に挟んでおくのがより効果的といわれ、身につけられることが多かったのですが、それだとトイレの際に落としてしまうこともあり不便もあることから、最近ではどのような身につけ方でもよいというのが一般的です。かばんにつけてもよいですし、母子手帳のケースに一緒に入れておくのもよいでしょう。お守りを持つことで心が安定すること、そして安産を願い大切に扱うこと、これが安産のお守りの持ち方としていちばん大切なことです。腹帯は、以前はさらしが一般的でしたが、最近はコルセットタイプや腹巻きタイプなど種類も多く機能的です。自分のライフスタイルに合わせたタイプのものを巻くのがよいでしょう。犬は安産で子犬の育ちがよいこと、また古くから悪霊を防ぎ子どもを守る動物でもあることから、巻き始めは妊娠5カ月の戌の日が最適です。
安産のお守り、腹帯の正しい処分時期や方法は?
安産お守りや腹帯の処分の時期については、明確に決められたものはありません。産後の体調は個人差があります。お母さんの体調を最優先して、身体が落ち着いてきたタイミングでよいでしょう。例えばお宮参りのときに一緒に神社でおたき上げをしてもらうのもよいですし、それが難しければまた別の機会でもよいです。その際には腹帯や出産に関連していただいた他の縁起物なども一緒に持参し、神社に数千円のおたき上げ料を包むのが一般的です。安産祈願をした神社やお守りのもとの神社へ返納するのが難しければ、別の神社でも全く問題ありません。しかし神社でいただいたものをお寺に返納するのはNGなので、神社は神社、お寺はお寺という点は遵守(じゅんしゅ)します。感謝の気持ちとともに、産後1年以内に済ませるようにしましょう。
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