【性教育】海外ではどう教えてる?日本は遅れすぎ

日本の性教育
子どもたちの初めての性交年齢はどんどん早まっているのに、日本は性教育が遅れているといわれます。世界的に見ると、性教育後進国とまでいわれています。では、海外では性教育はどのように行われているのでしょうか?どこまで子どもたちに教えているのが世界基準なのでしょうか。日本と海外とのギャップの現状をお知らせします。

日本の現状

保健の授業
子どもたちの保健体育の教科書を見たことがありますか?自分が子どもの頃と大差のない内容が掲載されているのではないでしょうか。そこにかかれている知識だけで、子どもが自分の身を守れるとおもいますか?算数の計算方法や、漢字の書き順など、自分が習った頃と違う、ということが多いのに、性教育については自分が子どもの頃と変わらないままなのです。

日本で性教育が進まないわけ

七生養護学校事件というのをご存じでしょうか。
2003年、東京都の七生養護学校(現在は特別支援学校)で生徒たちに向けて行われていた性教育が過激であるとして、都議が視察、新聞記者もこれをセンセーショナルに紹介したことによって起こったこの騒動によって、性教育が隠すべきもの、恥ずかしいものであるという考えが広まってしまったのです。この事件報道では語られなかったことですが、この性教育が行われた大きな理由として、当時、すでに生徒たちの間で性的な問題行動が起こっていたということを前提として知らなくてはいけません。

性的な行為の意味、自分の体、相手の体のことを深く理解しないまま性的な行為をしてしまうことの危険性を、養護学校に在籍する子どもたちに理解できるよう、具体的な指導をするためだったのです。この事件の判決も、都議の行為は教育への過剰な介入として都議側が敗訴しています。しかし、大々的に報道されたこの事件をきっかけに、日本の性教育は萎縮してしまったといわれています。学校教育現場でも、保護者に騒がれては困るからと、国で決められている基準以上のことを教えようとはしなくなっていきました。

望まない妊娠や性被害の現状

10代の妊娠、中絶や出産についてはこちらで詳しく紹介されています。

この中では、10代全体の妊娠件数は2000年代初頭をピークに減少傾向にはありますが、10代前半の妊娠中絶件数については変化が少ないことに警鐘を鳴らしています。高校生世代の妊娠が減ったために全体では数が減っていますが、10代前半、小学校高学年から中学生にかけての妊娠中絶の件数には変化がないというのです。
子どもがスマホを持つのが珍しいことではなくなった現代で、高校生が性的な知識をインターネットで得ている可能性があることを考えると、それができない10代前半の子どもたちは、やはり性の知識不足から妊娠件中絶件数に変化がないのではないかというのは納得できる数値です。

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世界の基準はどうなっている?

海外の状況
日本の現状がわかったところで、性教育の国際基準があるのか調べてみました。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際セクシュアリティ教育ガイダンス

2009年に、ユネスコなどが性教育を行うためのガイダンスとして開発したのが、国際セクシュアリティ教育ガイダンスです。このガイダンスは、強制力のあるものではありませんが、世界の国々で性教育の基準として活用されています。
ユネスコの発表では「すべての国の教育政策担当者を対象にして、5歳から18歳以上までの子どもや若者にとって正確でそれぞれの年齢に適したカリキュラムを提供できるようにまとめられている」とされています。すべての国を対象として、包括的性教育の重要性を伝えるものになっています。

セクシュアリティとは?

このセクシュアリティという言葉に含まれる意味は、2014年に改訂された「性の権利宣言」の中に、「生涯を通じて人間であることの中心的側面をなし、セックス(生物学的性)、ジェンダー・アイデンティティー(性自認)とジェンダー・ロール(性役割)、性的指向、エロチシズム、喜び、親密さ、生殖がそこに含まれる」と説明されており、これを踏まえると、世界的には「5歳から包括的な性教育をはじめるべき」とされているということがわかります。

例えば「生殖」に関する項目の目標としては、
5~8歳「赤ちゃんがどこから来るのかを説明する」
9~12歳「基本的な避妊方法についても確認すること」
とされています。

改定版ではさらに、性暴力についても教育するべきと追記されました。性行為だけではなく、LGBTなどジェンダーマイノリティーについても教育していく必要があるということです。包括的に性に関する教育を行うことで、子どもたちが自分の体、相手の体を大切にしなくてはいけないということを教えていこうというのが世界基準です。

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