ピア効果を受けてどう対処するべき?
現在では正のピア効果だけでなく、負のピア効果があることも分かっています。この結果を受けて、親や周りの大人はどのように対応するべきなのでしょうか?おすすめの対応策をご紹介します。
少し上のレベルの友達に囲まれる環境を作る
学力が高い友人から正の効果を得るためには、あまりにレベルが高すぎる友人ではなく、少しだけレベルが高い友人と一緒に過ごすのが良いでしょう。ハイレベルすぎると、自分とは別世界の人だと感じて、勉強のモチベーションが下がってしまいかねません。しかし、少し上くらいなら「自分もちょっと頑張れば追いつけそう」と感じることができるので、勉強を頑張ろうと思いやすくなります。
子どもの性格によることを把握する
ピア効果でプラスの影響が出るかマイナスの影響が出るかは、子どもの性格による部分も大きいです。例えば、素直な子なら学力が高い子を見て「自分も追いつけるように頑張りたい!」と思いますが、少しネガティブな子なら「私では絶対追いつけない」と考えてしまうでしょう。そこで、正のピア効果を出したいなら、本当に子どもが学力の高い友人に囲まれて良い効果があるかを考える必要があります。
周りに頼らず自分で勉強する姿勢も忘れない
周りの環境を利用して成績が上がるのは、親の負担もないので楽ですが、周りに頼りっぱなしではなく、自分から勉強する姿勢をつけることももちろん大事です。自発的に勉強できて、前向きに取り組もうとする子どもは周りの環境に左右されず、成績を上げることができるものです。その上で学力の高い子どもに囲まれることで、もっと良い効果が期待できるのではないでしょうか?
おわりに
自分よりも学力が高い子どもに囲まれることで受ける影響を、ピア効果と呼びます。かつては自分の成績も上がるという、プラスのピア効果があると信じられていましたが、今ではマイナスの効果もあることが分かっています。子どもの性格によるところも大きいので、わが子にどちらの変化が出るか見極める必要があるでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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