【キャリア教育】自分らしく生きられるようにする教育

キャリア教育とは
現在、小学校・中学校・高校では「キャリア教育」が取り入れられています。「小学校からキャリア教育ってどういうこと?」と驚く保護者の方も多いのではないでしょうか。
ここでは、文部科学省が定義しているキャリア教育の内容や、小学校でどのようにキャリア教育が行われているかご紹介します。今の学校が教育についてどのように考えているか参考になればと思います。

小学校で行われる「キャリア教育」とは?

家で勉強する
「小学校でキャリア教育が行われている」と聞いて、「小学校のうちから進路や職業に関した指導が行われているの?」と思う人もいるかもしれません。教育現場で使われている「キャリア」「キャリア教育」は、一般の人がイメージするものとは少し違います。

「キャリア=職業」ではなく「生き方」

文部科学省では「キャリア」について、次のように定義しています。

「人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく重なりや積み重ね」

人は成長とともに、家庭・職場・地域社会とかかわる世界を広げながら、各環境の中で役割を持ち、自分らしい人生を歩んでいきます。これを文科省は「キャリア」とよんでいます。「キャリア」には進路や就業だけでなく、生き方全般が含まれているのです。

つまり「キャリア教育」とは、キャリアを形成するために必要な能力や態度を育てることを意味します。文科省ではキャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達(社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程)を促す教育」と定義しています。

進路や職業の選択に加え、どのような生き方がしたいか自発的に思い描き、それを実現していくための基盤を育てるのが「キャリア教育」であるといえるでしょう。

キャリア教育が必要とされる理由

「キャリア教育」の必要性が文科省で唱えられるようになったのは、1999年のことです。
背景には、情報化・グローバル化・少子高齢化など社会環境が急激に変化するなかで、学校が社会の変化に対応できていないことや、子どもがうまく自立できないことがあります。

特に「子どもの自立」に関しては、雇用や家族のあり方などが多様化するなかで、以前のように「大人のロールモデル」を子どもが見つけにくくなっており、自発的に進路選択や将来設計を行うことが求められています。
しかし、今の子どもたちは社会経験や生活体験が乏しく、身体的な発達に比べて精神的な自立が遅れる傾向にあり、自分の生き方を自分で決めるための材料が不足しています。

こうした状況を踏まえ、2000年代から2010年代はじめにかけて、キャリア教育の方法が整えられてきました。

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小学校におけるキャリア教育の取り組み

学校の友達
文科省は「キャリア教育は幼児期から高等教育(大学・専門学校)までにわたって体系的に進める」としています。小学校は「進路の探索・選択にかかる基盤形成の時期」と位置付けられています。具体的には、以下のようなことが目標とされています。

  1. 自分と他者、身の回りの仕事や環境に関心を持ち、関わりを持つ。
  2. 将来の仕事や自分の夢についてイメージをする。
  3. 働くことの価値を知って自分の能力や役割について考え、目標に向かって努力する。

「では、どのようにしてキャリア教育を行うの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。「キャリア教育」という授業があるわけではなく、各教科や道徳の時間、総合的な学習の時間、特別活動、日々の生活などあらゆるシーンのなかに組み込まれています。

小学校のキャリア教育における目標はさらに低学年・中学年・高学年で細かく設定されています。

学校でのびのび過ごす低学年

低学年では「小学校生活に適応し、周囲のことに関心を持ち、自分の好きなことを見つけてのびのび過ごすこと」を目標としています。

たとえば、クラス内の係や給食当番などを通じて、みんなのために働くことを経験し、働くことへの関心を高めます。また、生活科の授業で行われる「町探検」では、自分自身や周囲の人、社会に対する関心を高め、自立するための基礎となる部分を養います。道徳の時間では、約束や決まりを守ることを学びます。

友達関係や自己の土台築く中学年

中学年では「友だちと協力して活動し、その中で自分の持ち味や役割に気づく」ことを目標としています。

中学年、特に4年生からはクラブ活動が始まる学校が多いでしょう。自分のやりたいことを選んで活動したり、クラス以外の友だちと一緒に活動する機会を通じて、人間関係を築いたりします。また、社会科で町の施設や工場の見学を通じて、学習が日常生活や将来の生き方と関連していることに気づき、学ぶ意欲につなげます。

総合的な学習で行われる「1/2成人式」も、自分の成長を振り返り、よりよく生きようとする気持ちや態度を育むことを目的にしています。

集団の中で自分を役立てる喜びを知る高学年

高学年では「集団の中で自分の役割を果たして役立つ喜びを知り、社会と自己のかかわりから夢や希望を膨らませる」ことを目標としています。

高学年は縦割り学級や委員会活動、児童会などで責任ある立場になったり、会を運営したりする経験をすることが多くなります。また、外国語活動では、異文化とのコミュニケーションを通じて世界に多様な文化があることを知ります。

道徳の時間では、自己肯定感を育み、将来の夢や希望を抱くことができる心を育みます。

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