成長ホルモンに大きく影響するといわれている、睡眠の「ゴールデンタイム」という言葉を聞いたことがありますか。これからどんどん成長していく子どもにとって、成長ホルモンはとても重要です。その成長ホルモンが多く分泌されるのがゴールデンタイムであり、その時間帯は一般的に22時から翌2時というのがよく聞かれます。実際のところ、本当にゴールデンタイムは存在するのでしょうか。
そもそもゴールデンタイムとは何?
ゴールデンタイムに睡眠をとっていると成長ホルモンが多く分泌され、その結果お肌のトラブル(シミやしわなど)の予防・ダイエット・免疫力向上・子どものからだの成長を促すなどの効果を期待することができるとされ、一時期話題になったことがありました。
その時間帯は22時~翌2時だということもあわせてクローズアップされており、ママたちのなかでも気にしている人がいるかもしれません。
ママは子どもの成長が気になってしまいがち
子どものからだは個人差や月齢によって成長の度合いはさまざま。しかし、ついつい同じ年齢の子と比べてわが子のからだの成長がゆっくりであれば、ゴールデンタイムに睡眠をとらせないといけないと思うママも少ないのではないでしょうか。
いっぽうで、なかなか親のいう通りの時間に眠ってくれない子どももいます。「早く眠らせなきゃ成長ホルモンに影響しちゃう!」とヤキモキしてしまい、親子ともどもストレスに感じてしまうことにもなりかねません。
ゴールデンタイムに医学的根拠はない!?
実のところ、ゴールデンタイムは医学的に実証されているわけではありません。話題がひとり歩きして、まるで真実のようになってしまっているだけだといえるでしょう。
「寝る子は育つ」ということわざもあるように、睡眠は子どもにとって非常に大切です。しかしながら、ゴールデンタイムに睡眠をとらなければ成長ホルモンがたくさん分泌されないということではないようです。
また、成長ホルモンは思春期により多く分泌されるとはいうものの、生後3~4カ月ごろから睡眠時に成長ホルモンが分泌されはじめ、大人になっても分泌されるホルモンなのです。
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成長ホルモンが多く分泌されるのはいつ?
成長ホルモンは〇時~〇時に多く分泌されるなどといったように、時刻によって決まっているわけではありません。眠りはじめてから最初にくる深い眠りにあわせて分泌が高まっていきます。
また睡眠時刻が早かろうと遅かろうと、夜中に目覚めてまた眠りについたとしても、成長ホルモンは分泌されるのです。となると、本当の意味での成長ホルモンのゴールデンタイムはいつになるのでしょうか。
眠りはじめてから約3時間の間
成長ホルモンが多く分泌されるタイミングとしては、眠りはじめてから約3時間の間がポイントになります。人は睡眠時にレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しているのですが、なかでもノンレム睡眠は4段階に分けられ、より深い3・4段階を徐波(じょは)睡眠と呼ばれています。
徐波睡眠は眠りはじめてから2~3時間後に集中して出現することがわかっていますが、この徐波睡眠にあわせて成長ホルモンの分泌が多く分泌され、特に眠りはじめてから最初の徐波睡眠の出現数分後に1日で最も分泌量が高まることが医学的な調査結果にも出ています。
時刻よりも眠りの深さが重要!
成長ホルモンはノンレム睡眠と関係しているように、眠りが浅いと分泌されにくいホルモンです。どの時刻に睡眠をとったとしても、眠りの深さが成長ホルモンのより多い分泌を促すことになるでしょう。
夜間にしっかりと睡眠をとった後、昼間に2時間ほどの昼寝をした場合、徐波(じょは)睡眠は午前中にはほとんど出現せず、夕方になるにつれて多く出現する傾向があります。眠りの深さは、時刻ではなく眠るまでに起きていた時間が大きく影響するのでしょう。
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長男(小1 )・次男(年中)の二児を子育て中。総務・人事・経理などの事務職に従事し、産休・育休ののちに離職。その後フリーライターとして、出産育児・ビジネス・働き方関連・就職転職・地方創生など幅広いテーマを執筆しながら早4年目に突入しました。
男の子2人の育児に翻弄されつつも、我が子には「思いやりのある子・人の痛みのわかる子」になってほしいと願いながら慌ただしい毎日を過ごしています。
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