保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。 3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。 生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/保育記事監修者プロフィール:伊藤美緒先生
新年度の職場復帰、子どもも幼稚園や保育園での集団生活がスタートします。大人でも初めての場所は不安ですよね、子どもたちも同じです。登園時にママにしがみついて泣く子もいます。そんなとき、後ろ髪をひかれる思いで保育所を後にすることになるのですが、ふと「子どもにこんな思いをさせてまで…」と罪悪感がよぎることがあるかもしれません。
泣くのは立派な自己主張、成長の表れです
まだ何にもわからない赤ちゃんのうちなら、幼稚園や保育園に預けてもちっとも泣いたりしません。でも、少し周りを理解し始めたら、大好きなママから離れるのが寂しくてしがみついて泣いてしまいます。これは、言葉ではまだ伝えきれない気持ちを、相手に伝える自己主張の表れです。きちんと成長している証拠なのです。
泣くのは「良い」自己主張の表れ?
登園時、ママが大好きなので、離れたくなくて、別れ際に号泣する子がいます。この世の終わりかと思われるくらいに号泣されると、ママの心は罪悪感でいっぱいになります。でもよく考えると、初めての集団生活で、別れ際にすんなりと離れられても、ママの方がちょっと寂しい気分になるかもしれません。ママとの絆が深い分、離れたくなくて泣くというのは当然の自己主張なのです。
決断したことを後悔しても始まらない
将来の安心のため、働くことが好き、夫の収入が少なくてやむを得ず、など、夫婦共働きを選択するには、それぞれの家庭の事情があることでしょう。それでも、「働く」という決断をしたのなら、後悔しても始まりません。子どもがかわいそうとか、離れるのがつらいとか、いつまでも迷う気持ちが残っていると仕事に専念できませんよね。子どもも頑張っているのです。そう思って、前に進んでいくことも大切です。
登園時のお別れは笑顔で短時間に
子どもは周囲をよく見ています。ママが別れ際にオロオロと離れるのをためらっていると「泣いたらママがお仕事を休んでくれるかも」と期待してしまいますよ。手際よく朝の支度を調えたら、短い時間で保育所を立ち去ることも大切です。「必ず迎えに来るからね」と笑顔で別れること。ママの笑顔が子どもの一番の安心材料です。朝、どんなに泣いていても、お迎えのときには笑顔で遊んでいますよ。
合わせて読みたい
新しい環境が不安なのは大人も子どもも一緒です
新年度、新学期、新しい環境が不安なのは、大人も子どもも一緒です。すんなりママから離れて登園する子もいれば、泣いてママから離れない子もいます。わが子が新しい環境になじめるかどうか、ドキドキしてしまいますよね。
子どもの性格によっても違いがあります
子どもの中にも社交的な子もいれば、一人遊びが好きな引っ込み思案な子もいます。社交的な子にとっては、初めての環境に不安はあれど楽しく感じるかもしれません。一方、引っ込み思案な子にとっては、不安を大きく感じてしまって、泣いてしまうことも。同じ環境でも子どもによって感じ方はさまざまです。その気持ちをわかってあげてくださいね。
離れるのが寂しいと感じても大丈夫
子どもがパパやママと離れるのが寂しいと感じる気持ちは、「分離不安」と言い、成長には欠かせない大切な段階です。まだ何にもわからないような0歳の赤ちゃんでも分離不安は感じるそうです。自分を守ってくれる大人から離れることは生命の危険を意味します。そういう意味では、別れ際に不安に感じる心理は生きていく上で非常に重要な感情なのです。
家でのお約束と保育施設との連携も
お家で子どもと約束してみるという方法もあります。お家に帰って、子どもの気持ちが安定しているときに「ママもお仕事頑張るから、明日は笑ってバイバイしようね」と子どもにも理解できる言葉で伝えてあげましょう。「笑顔でバイバイできたらうれしいな」とママの気持ちも伝えます。お約束を先生にも伝えて、「ママとのお約束」として伝えれば、園でも頑張れることでしょう。
合わせて読みたい
https://tamagoo.jp/childcare/wear-drift-during-childcare-period/
高校生男子と中学生女子の母。思春期真っ只中の2人の子育て、まだまだ奮闘中です。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。