嗅覚を育んで赤ちゃんの発達を後押ししよう
赤ちゃんの嗅覚はママとの愛着形成に欠かせないコミュニケーションツールです。0歳児に経験したことはその後の成長に大きく影響します。この時期の“匂い体験”が一生ものの経験になるかもしれません。
赤ちゃんのときの“匂い体験”は一生もの!
福井大学研究チームの発表によると、哺乳類は生後1週間で匂いを覚え、その記憶が行動に影響を及ぼしているそうです。これは人間にも当てはまることで「幼少期に体験した故郷の匂い、母親の子守歌の声、親との触れ合いなどが、神経回路形成に影響を及ぼし、成長後の行動にも影響を与えている可能性が高い」と報告されています。
大人でも久々に地元や実家を訪れるとホッとすることがありますよね。言葉では言い表すことのできない「匂い」が、ずっと心に残っているのかもしれません。ママの匂いは赤ちゃんにとって特別なものなのですね。
自然のアロマで嗅覚を育ててあげよう!
赤ちゃんの嗅覚を健やかに育むためには、どうしたらいいのでしょうか?まずはママがたくさんスキンシップをとってあげることが大切です。もちろんこれはママ以外の大人にもいえることですね。赤ちゃんの成長とともに自然に触れる体験を持つことも重要です。ここで森林総合研究所がまとめた、木材のリラックス効果に関する研究をご紹介。生後1~3カ月の赤ちゃんにヒノキやマツに含まれる香り成分を嗅がせたところ、脳の活動が上昇し、心拍数が減少していたそうです。つまり赤ちゃんは木の香りを認識していて、リラックス状態になったと考えられます。
天気がいい日は公園に行ったり、連休に足を延ばして自然の多い場所に出向いたり。自然の匂いを思いっきり感じさせてあげましょう。赤ちゃんはもちろん、大人もリラックスできそうですね。
おわりに
パパが抱っこすると嫌がったり、母乳やミルクの匂いがするとギャン泣きしたり…。赤ちゃんの優れた“匂いセンサー”には、驚かされますね。ママはお世話で大変かもしれません。しかし抱っこしてあげた分、赤ちゃんはママの匂いを記憶にとどめ、安心感を得ることができます。スキンシップをとったり自然の多い場所に遊びに行ったりと、今しかできない匂いの体験をさせてあげましょう。
嗅覚神経細胞分化の新たなメカニズムの一端を解明・理化学研究所
二酸化塩素による除菌をうたった商品 ・独立行政法人国民生活センター
幼少期に精緻化する嗅覚神経回路をつなぐ分子の発見・国立大学法人福井大学
木材の香りや手触りの良さを科学的に解明する・森林総合研究所
ピックアップ
30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。