学童保育は平日の放課後、小学生を預かってくれるシステムです。保護者が働いており、学校から帰ると家でひとりになってしまう小学生が利用します。一般的には通年で利用の申し込みをしますが、普段利用していない子が夏休みだけ学童に通ってもよいのでしょうか?夏休みだけ学童はありかなしか?という疑問にお答えします。
学童保育のシステム
学童保育は保護者が働いている家庭の小学生に、放課後の居場所と養育を提供するシステムです。主に公設公営、公設民営、民設民営の3種類の運営形態があります。ここでは地方自治体が設置し、運営をおこなっている公設公営の学童保育を中心にご説明します。
宿題&あそび!学童の過ごし方
公設公営の学童保育は主に学校の空き教室や、学校に隣接する児童館などの公的施設を利用しておこなわれます。子どもたちは学校が終わると帰宅の準備をして、学童保育のおこなわれている場所へ向かいます。
学童へ着くとまずは宿題タイム。塾のような指導や強制はしませんが、指導員が声かけをしてあげることが多いようです。その後はおやつタイム。おやつはアレルギーなどの問題があるので、各自持参するようにお願いしている学童もあります。なかにはおやつタイムのない学童もあるので、確認してみましょう。
宿題とおやつが終わればあとは自由時間です。本を読んだり外であそんだり、工作をしたり、子どもたちは指導員が見守るなか、思い思いに過ごします。月見団子作りやかき氷イベントなど、学童が季節のイベントを企画してくれることもあります。その後、子どもたちは迎えに来た保護者と帰宅します。
保護者が働いている家庭の小学生を優先
学童保育は有料のサービスです。小学生を持つ保護者なら誰でも利用できますが、定員が決まっているため、保護者が働いている家庭の小学生が優先です。学童保育は1997年に法制化されたサービスで、正式名称は「放課後児童クラブ」といいます。厚生労働省は2007年にガイドラインを定め、2014年には児童福祉法の改正にともない、設備や運営についての基準を定めました。放課後に子どもを預かるだけではなく、子どもの健全な育成と安心できる居場所作りを目的としています。
平日通わないと退所もあり
小学生3年生ともなると平日の放課後は友だちと遊ぶことも多くなるでしょう。そうなると必然的に学童を利用することも少なくなります。地域によっては、学童の出席日数がきわめて少ない場合は、退所しなくてはいけない場合もあります。そうなると夏休みだけ学童に通わせることができなくなるので、学童にはきちんと通わせるようにしておきましょう。
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夏休みだけ学童はあり?なし?
学童保育を利用しているのは、子どもが就学前に保育所に預けて働いていたという保護者が中心です。遅くまで預かってもらえた保育所と違い、小学校は3時過ぎには終わってしまいます。家に帰ってひとりで留守番というのは安全面の不安がありますし、海外なら児童虐待にあたる状態です。子どもの健全な育成のためには、学童保育は不可欠。平日利用している家庭の子どもたちは、長期休暇中も学童を利用します。では普段は学童を利用していない家庭の子どもは夏休みだけ学童を利用できるのでしょうか?
夏休みだけは地域によって差があるため確認必須
結論からいえば、夏休みだけ学童は基本的に「あり」です。ただし、公設公営の場合は、保護者が就労していることや、長期入院などで子どもを養育する状態に欠けることが条件になります。たとえば「平日は午前9時から午後3時まで働いていて、子どもが学校から帰ってくるのとほとんど同時に帰宅できるが、夏休みの日中はひとりになってしまうので預けたい」という家庭は利用可能です。また入所案内に『長期休業期間(春休み・夏休み・冬休み)のみの入所申請は受け付けておりません。』と記載している自治体もあります。
「夏休みに朝から晩まで子どもが家にいるとストレスになる」という場合は、入所条件のない民営の学童保育を探してみましょう。
しかし基本的にありとはいえ、定員がいっぱいでは利用できません。とくに保育所で待機児童が出ているような地域では学童保育の希望率も高く、夏休みだけの利用は難しいでしょう。定員や利用状況は地域で異なるため、希望する場合は事前の確認が必要です。
学童の費用と申し込み方法
公営の学童は月3,000円~7,000円程度、民設民営の場合は、月30,000円~50,000円以上と大きく差があります。公営の費用はおやつ代を含むのかどうかでも、多少異なります。利用したい場合は学童保育に直接申し込みます。募集は利用希望の前年、11月頃からはじまることが多いので、早めに確認しましょう。学童保育の様子を見学しがてら直接職員さんにたずねてみてもよいですし、公営の学童であれば自治体のHPに情報が出ています。児童クラブ、保育ルームなど、自治体によって名称は異なりますので注意してください。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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