保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。 3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。 生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/保育記事監修者プロフィール:伊藤美緒先生
女性の社会進出が積極的になる中、保育園の受け入れ枠不足が昨今叫ばれています。保育園選びをするときには失敗したくないですよね。現在、保育園運営にかかる地方自治体の費用負担を軽減するべく、各自治体において公立保育園の民営化が進んでいるのです。民営の保育園が増えれば、それぞれの保育園での特徴も大きく異なってくるでしょう。ここでは、公立保育園民営化のメリット・デメリットについて取り上げていきます。
保育園の種類とその特徴について
保育園とは保育所のことをいい、児童福祉法による児童福祉施設の一つです。保育所は、保護者からの委託をうけて、乳児または幼児を預かって保育します。所管は厚生労働省となっています。保育園には認可保育園、認証保育園、無認可保育園の主に3種類があります。
国が定めた基準を満たす認可保育園の特徴
国が定める基準といっても、具体的にどのような基準が設けられているのか知らない方もいらっしゃるでしょう。国では一応、保育園の設置には、施設面積、保育士の数、給食設備、防災設備、衛生管理等さまざまな基準を設けています。例えば、あまり場所のない都内の認可保育園でも、教室や園庭が広いことが多いです。公立の場合は、登録は市区町村で行います。さらに、入園待ちの待機児童が多いのも特徴です。
場所が限られている東京都独自の制度、認証保育園
東京などの大都市では十分な広さを確保することがとても困難になっています。そのため、国の認可基準に達することのできない保育園に対して、都が町の特性に応じて評価を行い認証を行っているのが、認証保育園です。認証保育園では、株式会社などの多くの企業が事業参入して、働く保護者のニーズに応えています。費用は公立保育園より、若干高めに設定されている場合がほとんどです。
国の定めた基準を満たしていない無認可保育園
一口に無認可保育園といっても、素晴らしい保育を行っている保育園もたくさんあります。社会のニーズに応えるようにさまざまなサービスが提供されているのです。預ける理由や時間帯にこだわらず利用でき、認可保育園では実現が難しいことも無認可保育園では実現可能なことも多いです。何よりも、無認可保育園にとっては、保護者と子どもは大切なお客さまなので、丁寧に対応してくれるはずです。よって保育の質の良し悪しとは関係がありません。
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公立保育園民営化のデメリットとは?
公立保育園の民営化にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。公立保育園が民営化されるときには、職員は全員入れ替えになります。そのため、保育園通園の途中でお世話になる保育士の先生方が変わることになってしまいます。そのため、一部の保護者から反対の声もあがっているのです。
雇い止めによる、ベテラン保育士の減少
公立保育園の保育士は公務員です。したがって、一般的に公立保育園の保育士の給料は私立保育園の保育士の給料よりも多いです。民営化により、ベテラン保育士は退職に追いやられたりして、若い保育士ばかりになることが、すでに予測されています。実際、民営保育園の保育士の年齢は公立保育園の保育士の年齢よりも若いです。そのため、一部の保護者からは、民営化によりベテラン保育士による保育がうけられない不安があげられています。
大手企業参入による保育料の増額
一般的に保育料に関しては、国が所得に応じて金額を定めているので、公立保育園も民営保育園にも変わりありません。しかし、営利を目的とする企業が参入するようになれば、施設維持費、イベント費用、習い事などといった名目で、お金を徴収し始めることが考えられます。したがって保護者からは、企業の参入に慎重な声も聞かれます。
園児1人当たりの面積がさらに狭くなる可能性が
すでに、日本では保育所不足による待機児童の増加が社会問題となっています。一つの場所に今まで以上の園児を入れれば、受け入れ枠も増えますが、それでは子どもの健やかな成長を考えると本末転倒です。都内などの大都市では、園内の施設面積不足の問題はすでに述べましたが、民営化に伴い小さな場所に多くの園児を預かる傾向は、今まで以上に強くなることは避けられないでしょう。
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ケーキづくりと旅行が大好きな母です。本業と執筆活動頑張っています!
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