運動能力が大きく発達する時期を表す言葉として9歳~12歳の「ゴールデンエイジ」が有名です。このゴールデンエイジよりも前の時期は「プレゴールデンエイジ」と呼ばれ、運動神経を大きく高めることができる時期として重要視されています。今回は、そんなプレゴールデンエイジについてご紹介します。
プレゴールデンエイジの特徴は?
ゴールデンエイジという言葉は聞いたことがあっても、プレゴールデンエイジについては全然知らないという方も多いと思います。そこで、プレゴールデンエイジの特徴をまとめました。子どもがいる方は、ぜひ知っておいてくださいね。
3〜8歳頃の神経系が発達する時期を表す
プレゴールデンエイジに該当するのは、3〜8歳ごろです。子どもの能力の発達の仕方を表した「スキャモンの発達曲線」という有名なグラフがありますが、これを見ると運動神経の良さに影響を与える神経系は小さいうちから発達し、5歳までには80%まで成長することが分かっています。早くから発達する神経系だからこそ、早いうちから鍛えることが大切です。
そして運動神経が発達するプレゴールデンエイジをどう過ごすかによって、運動神経の良し悪しの違いが生まれます。もしこの時期に運動をしっかりさせれば、運動神経が良くなりやすいのです。神経系が発達すると平衡感覚、器用さ、リズム感など多種多様な能力が習得できるので、プレゴールデンエイジの間は出来るだけ色々な運動をさせると、子どもの能力を伸ばすことができるでしょう。
ゴールデンエイジに向けて準備をする時期
運動能力が本格的に発達するのは、9〜12歳頃のいわゆるゴールデンエイジです。12歳になるまでには、ほぼ100%まで神経系が発達するので、ゴールデンエイジに運動能力を著しく伸ばすためには、プレゴールデンエイジに基礎的な能力を身につけておくことが大切です。ちなみにゴールデンエイジが終わった後の数年は、ポストゴールデンエイジと呼ばれ、骨格や筋力が発達することでパワーやスピードが出るようになります。
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プレゴールデンエイジから運動させるべき理由は?
子どもの運動神経を高めるために、小学校の入学と同時にスポーツ系の習い事をさせる家庭は多いですが、能力を伸ばしたいなら、プレゴールデンエイジが始まる3歳ごろから運動に触れさせることが大切です。以下に、その理由をまとめました。
運動神経を発達させる期間が長くなるから
「3歳から運動をさせるのは早すぎるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、3歳でも運動に触れさせると、バランス感覚やリズム感などの能力を身につけることができます。小学校入学から運動させるのも良いですが、もっと早くから神経系を発達させれば能力はかなり伸びるでしょう。もし、子どもに運動が得意になって欲しいと思うなら、3歳頃から運動させることを意識しましょう。
小学校に入ってから体育が楽しくなる
3歳頃から運動をさせ、体を動かすことが得意になれば小学校に入って体育の授業が始まったときに楽しく取り組めるようになります。運動が得意でないと体育の授業が嫌になり、「自分は運動が苦手」という考えが染み付いてしまいます。すると小学校だけでなく中学、高校といつまでも運動嫌いを引きずってしまいます。そうならないためにも、早くから運動能力を鍛えて運動好きにさせてあげた方がいいでしょう。
スポーツを通して集団行動も学べる
早くからスポーツをするメリットは、運動能力が身につくことだけではありません。スポーツをすると、集団行動を学べるというメリットがあります。目上の人に礼儀正しく振舞ったり、チームメイトと協力したりと集団行動で必要なことは、社会に出てからも役に立ちます。また、コミュニケーション能力が身につくことで、就活などで有利になることでしょう。早くからスポーツを始めると、こんなにたくさんのメリットがあるのです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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