デンタルネグレクトの予防や対応方法
デンタルネグレクトは、学校の歯科検診や児童相談所による一時保護の時に表面化するケースが大多数です。しかし、口腔崩壊している状況だとわかっていても、なかなか改善されづらいという現状もあります。どのように、デンタルネグレクトを予防し、対応していくべきでしょうか?
子どもも大人も正しい歯の知識を身につける
最初に取り組みたいのが、子どもも大人も正しい歯の知識を身につけるということになります。「子どもに歯磨きをしなさい!」と教育しているのにもかかわらず、保護者の方に歯磨きの習慣がそもそもいないということも、最近は増えてきました。これでは子どもが歯磨きの習慣を身につけることが非常に難しく、将来的に口腔崩壊を起こしてしまう可能性があります。もちろん、虫歯予防にも注意を払わなければなりませんので、学校の検診で虫歯が見つかった時には歯医者さんに連れて行き、プロの手によって予防の方法を教育してもらうのも、ひとつの方法です。
デンタルネグレクトは深刻なものだと理解する
デンタルネグレクトは児童虐待の一種になるので、場合によっては児童相談所などに通告される可能性があります。児童相談所に通告された子どもは、要保護児童という形で処理され、児童相談所に保護されることもあります。「歯のことぐらいで大げさな!」と思う保護者の方もいるでしょうが、これは決して軽い問題ではありません。もし、児童相談所に保護となると、ほとんど強制的に子どもと離れ離れになってしまいます。
一歩踏み込んだ行政サービスも求められる
財政の問題で難しい部分もあるでしょうが、子どもの虫歯予防や虫歯の治療に対する助成などがあれば、デンタルネグレクト減少の手助けになる場合があるかもしれません。保護者のみに責任を押し付けるのではなく、行政サービスも一歩、デンタルネグレクトという問題に踏み込んでいく必要があるといえます。もちろん、金銭的問題で子どもを歯医者さんに連れて行きたくても連れて行けないというケースもあります。そういう時は、就学援助などで歯医者さんに連れて行けるケースもありますので、行政からの適切な情報提供も求められるところです。
おわりに
デンタルネグレクトは、虐待のひとつになり得ます。児童虐待という扱いになると児童相談所に通告され、最悪の場合は子どもが児童保護という扱いを受けることになりかねません。こういった状況を避けるためにも、子どもの歯の健康は、保護者として定期的に見てあげるように気をつけたいですね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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