学校ではなく家で勉強してもいい?「ホームスクーリング」とは

ホームスクーリング
学校に通わず、家庭で学習を進める「ホームスクーリング」は、アメリカをはじめとする多くの国で義務教育の代替えとして認められています。日本でも約3,000の家庭がホームスクーリングを実践しているという報告があります。ホームスクーリングの進め方や日本における課題についてご紹介します。

ホームスクーリングが義務教育の代替に?

男の子が勉強をしている
「ホームスクーリング」とは、家庭を拠点に学習を進めることです。病気や不登校、学校の授業レベルが低すぎて合わないなど、さまざまな事情で学校に通学しない児童・生徒が学習を続ける方法として、ホームスクーリングを選んでいます。

ホームスクーリングが定着しているアメリカでは、「学校のように時間割を決めて保護者が教員の代わりに教育を行う」「時間割や保護者による指導はなく、子どもの興味や自主性にまかせて学ぶ」など、さまざまなホームスクーリングのスタイルがあります。

子どもに義務教育を受けさせる義務がある世界の国々において、ホームスクーリングでの学習を義務教育として認めるかどうかは国によって異なります。

ホームスクーリングで義務教育が行える国

「ホームスクーリングで義務教育を行ってもよいとする」国はアメリカをはじめ、イギリスやフランス、カナダ、タイなど、約50か国で認められています。

たとえば、アメリカではすべての州において、ホームスクーリングを行えば就学義務が免除され、2016年の時点で約230万人の子どもがホームスクールで学んでいるという調査結果が出ています(National Home Education Research Instituteによる調査)。これは全米の就学児童・生徒の3%以上に当たります。

アメリカの家庭がホームスクーリングを選択する理由は、いじめや障害のほか、宗教上の理由や学校環境の問題、スポーツ・芸能活動といったことが挙げられます。そのほか、子どもにとって学校の授業レベルが低いため、高レベルな教育を求めてホームスクーリングを選ぶ子どももいます。

日本におけるホームスクーリングの扱い

日本では、ホームスクーリングは義務教育の代替として認められておらず、就学義務は免除されません。多くの場合、ホームスクーリングは「不登校の児童・生徒に対する教育支援」と関連付けて語られます。

文部科学省では「不登校」を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。こうした不登校の児童や生徒が学校外の施設で相談や指導を受けていたり、自宅でITなどを活用した学習を行っていたりすることに対し、条件付きで「出席扱いにする」としています。

日本では「学校に行くこと」が前提となっており、ホームスクーリングをする際も学校に在籍することになります。最初から学校に在籍せず、ホームスクーリングを選択することは制度上できません。

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日本でホームスクーリングを選ぶ人々

勉強のテキスト
ホームスクーリングを支援するNPO法人「日本ホームスクール支援協会」によると、日本でホームスクーリングを選択している家庭は約3,000といわれています。どのような事情でホームスクーリングを選び、どのように学んでいるのでしょうか。

集団教育からのポジティブな離脱

「子どもが通学困難な障害や症状を持っている」「学校の学習ペースが遅く、成績優秀な子どもが通学を渋るようになった」「教師の指導方法に子どもがストレスを感じるようになった」など、保護者がホームスクーリングを選ぶようになった理由はさまざまです。

こうした事例は、文部科学省などの調査の分類では「不登校」としてまとめられますが、「単に子どもが学校に行きたくないからホームスクーリングを選んだのではない。子どもが学びやすい環境を作るために、当初から学校に行かないという選択をし、集団教育から離脱した」と前向きに捉える保護者もいます。

ホームスクーリングでの学び方とは

先に、ホームスクーリングには親が教師替わりになって教えるパターンや、子どもに任せるパターンなどがあると述べましたが、今は民間業者のオンライン教材などを活用して学ぶスタイルが多いようです。

学習内容については「子どもに任せる」派と「親が時間割や学習内容を決める」派に分かれます。また「読み書きや計算といった基礎学習については時間割を決めるが、理科や社会は学校で習う学年や単元にこだわらず、子どもの関心に合わせて学ばせる」といったように、柔軟に対応しているパターンもあります。

さらに、ずっと家庭で学習をするのではなく、子ども自身が計画を立てて旅行や社会見学に出かけるなど、家庭の外に出て活動する機会を意識的に設けている保護者もいます。

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