マシュマロテストをやってみよう
現在、ミシェルが行ったマシュマロテストから導き出される結論には、異論が唱えられています。しかし、子どもの自制心を計る方法として、マシュマロテストは今も有効です。ミシェルが実験対象とした4歳ぐらいのお子さんがいる方は、試してみてはいかがでしょうか。
すぐにできるマシュマロテストのやり方
静かな部屋にテーブルと椅子を用意します。机の周辺におもちゃなど気の散るものは置かないようにします。
テーブルの上にマシュマロを1個のせた皿を用意します(マシュマロでなくても、子どもの好きなお菓子でOKです)。
次のように子どもに声を掛けて、部屋を出ます。
「今から用事があるから席を外すけど、15分後に戻ってくるよ。お皿のマシュマロは食べていいけど、戻ってくるまでがんばって食べないで待てたら、もうひとつあげるよ」
ドアのすき間などから、子どもの様子をそっと観察してみましょう。
マシュマロテストの結果を活かす
ワッツらによる再実験によって「子どもの自制心や社会的成功は、家庭の経済的基盤に影響される」と結論付けられています。しかし、だからといって、子どもに自制心がいらないというわけではありません。
マシュマロテストの結果、子どもが2個目のマシュマロをもらうために我慢したら、先のことを考えたうえで今、行動ができていることを誉めてあげればよいでしょう。
では、我慢できずに1個目のマシュマロを食べてしまったら、どうすればよいでしょうか。ひとつは、マシュマロを我慢するための工夫を子どもと一緒に考えることです。
じつは、マシュマロテストでマシュマロを我慢できた子どものなかには、マシュマロを見ないようにしたり、別のことを考えたりして、我慢するための工夫をしていたといいます。
もうひとつは、食べてしまったことを否定的に捉えないことです。「先のことよりも、今を重視する」というのは、一つのものの考え方であり、子どもの個性です。決断を下すときなど、その考えが大切になる局面もあるはずです。
おわりに
マシュマロテストは小さな子どもの自制心をチェックすることができます。しかし、「自制心の強さが社会的な成功につながる」とはかならずしも言えないことが、最近になってわかってきました。
社会的成功のためでなくとも、自制心は人間が理性的に行動するうえで大切な要素であることにまちがいはありません。マシュマロテストをきっかけに、親子で「我慢すること」について考えてみてはいかがでしょうか。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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