「ママに怒られた」や「先生に叱られた」とは子どもがよく口にする言葉です。子どもは「怒る」と「叱る」の意味の違いを正確に理解しているわけではありません。でも「怒られた」と感じるときと、「叱られた」と感じるときがあるようです。そのニュアンスの違いとは一体何なのでしょうか。どちらが子どもにとっていいことなのでしょうか。
「怒る」と「叱る」の意味には大きな違いがある!
「怒る」と「叱る」という言葉は同意語とされ、同じような場面で使われがちです。しかしこの二つの言葉には大きな違いがあり、子どもに及ぼす影響にも違いがでる可能性があります。まずはその意味をしっかりと理解していきましょう。
「怒る」は自分中心の親がすること
「怒る」とは不満なことや不快なことに対して腹を立てることです。またそれに対して責めたりとがめたりする言動のことをいいます。つまり子どもが親のいう通りにできなかったり、親が望む通りの行動をしなかったりしたとき、親が腹を立てて子どもに当たる行為です。これは親の感情が主体になっているため、子どもの立場を無視した言動といます。
「叱る」は子どもを愛している親がすること
「叱る」とは相手の間違った言動に対し、正しい方向へ導いてあげることをいいます。場合によってはその口調はきつくなることもあるでしょう。例えば、子どもの危険な行動を阻止する場合や人に迷惑をかける言動を注意する場合です。しかしそれは「怒る」とは違います。親の怒りの感情はそこにはなく、あくまでも子どもを思う愛情から発せられるものだからです。
「怒る」と「叱る」は実は正反対
怒るという言動の主体は「自分(親)」です。そのため、例えば子どもが間違いをしたとき、自分がイライラしていれば怒り、機嫌がよければ許してしまうなど自分の感情によって違う接し方をしてしまうこともあるでしょう。しかし、叱るという言動の主体は「相手(子ども)」です。子どもが同じ間違いをしないように、子どものためを思って接するのでその言動はいつも変わりません。子どもにとってどちらがよいかは明白ですね。
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怒られて育つ子と叱られて育つ子の違い
怒ると叱るの違いははっきりしましたね。では、怒られて育った子どもと叱られて育った子どもにはゆくゆく性格やその子自身の言動などに違いがでてくると思いますか?兄弟姉妹やお友達の中での行動に違いがでるのでしょうか。
怒られて育った子の行動パターン
3~6歳くらいの子どもは、言葉がどんどん増えいろいろなことを理解していく半面、善悪の判断は未発達ですから多くの間違いをします。そのときに近くにいる大人が大きな声で怒ると、子どもは怒られた=怖いという印象しか残りません。なぜ怒られたのか、何がいけなかったのかを理解する前に大人の顔色をうかがって行動するようになってしまいます。また、自分の思い通りにいかないことがあると、兄弟姉妹やお友達に大きな声で怒鳴ることで自分の思いを通すことを覚えてしまうのです。
叱られて育った子の行動パターン
叱るというのは必ずしも声を荒げてするものではありません。子どものことを思って間違いを正すのですから、子どもの耳にしっかり届くように静かに語りかけることも叱るということなのです。なぜ間違っているのか、どうしたらよかったのかを一緒に考えて答えを導いてあげましょう。そのように叱られて育つ子どもは人の話をよく聞き、素直に受け入れることができるようになります。お友達とうまくいかないときには、どうしたらうまくいくかを考えることができるようになるでしょう。
場合によっては強い口調で叱る!
子どもの身に危険が迫っていたり、人に迷惑をかけてしまったりするような場合は大きな声や強い口調で叱ることも必要です。大人のただならぬ語気に子どもは驚くでしょう。ただしそのときの言葉は簡潔にわかりやすくが基本です。「だめ!」や「こら!」などの抽象的な言葉ではなく「そこに上ってはだめ!」「騒いではいけない!」など、どのような行動がいけないのかがすぐにわかるように叱ります。叱り方のコツについて、次の章で詳しくご紹介します。
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小6の息子と小1の娘のママです。パン作りと洋裁が好きです。
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