【保育監修】「モンテッソーリ教育」と「シュタイナー教育」どんな違いがあるの?

保育記事監修者プロフィール:伊藤 先生のイラスト 伊藤美緒先生

保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。

3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。

生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/


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自分の子どもをどんな幼稚園に通わせればいいのかを迷われる方は多いですよね。幼稚園に通わせる子どもが初めてであるママだと、さらに不安だと思います。最近の幼稚園では、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育を教育方針として掲げているところもあります。それぞれの教育方針とは?それぞれの教育方針の違いとは?に焦点を当てていきたいと思います。

モンテッソーリ教育って一体何?

モンテッソーリ教育の特徴
モンテッソーリ教育とは、それぞれの子どもは生まれながらにして力を持っており、その力を伸ばしてあげることを一番の目標としています。力を発揮するために、それぞれの発達段階にある子どもを大人(補助者)が援助することにより「自立した、自分の力で社会に貢献し、常に学び続ける姿勢を持つ人間」へと育てていきます。

モンテッソーリ教育ができるまで

イタリアの精神科病院で働いていたモンテッソーリ医師が知的障害児への治療として行った感覚教育法がベースになっています。この教育法を実践したことで、知的障害者の子どもの知的水準が上がったため、健常児を対象とした保育施設においてもその教育法を盛り込んで完成させたものがモンテッソーリ教育です。幼稚園や小学校のお受験対策などの英才教育や早期教育としても注目されているため、お受験のための教育だと誤解されることがありますが、そうではありません。

モンテッソーリ教育の具体的な方法

子どもは自分でやりたいこと(お仕事)を選択し、自分でその物事に取り組んでいきます。子どもたちに自発的な活動をさせるために、整えられた環境を準備することが必要です。その環境とは、子どもが自由に教具を選べる環境構成であること、やってみたいと思わせるような教具を準備すること、社会性や協調性を促すために、異年齢のクラスを組むこと、それぞれの発達段階に適した環境を与えることで自己形成を支援するような教師であること、の四つです。この環境下でさらに日常生活の練習、感覚教育、言語教育、算数教育、文化教育といった五つの実践課目を設けて、子どもの成長をサポートします。

モンテッソーリ教育によりどんな子どもに育つの?

自分で行うことを決めて行動したり考えることを促したりすることにより、自発性が育ち、よく考える子どもへと成長します。例えば、成人したときに目上の人に助言を求めなくても自分で考えて答えを導きだせたり、人前でのプレゼンテーションに緊張することなく挑むことができたり、勉強や研究に必要な探求心が備わっているため、学ぶことが好きな人へと成長します。

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シュタイナー教育とはどんな教育?

シュタイナー教育の特徴
独自の教育理論に基づいたものであり、まずは人間を物質体、生命体、感情体、自我といった四つの構成体で形成されていると考えます。また、魂は意志、思考、感情の三つに基づいて構成されると捉え、発達段階に時期を合わせて、その能力を伸ばすことを考えられています。

シュタイナー教育ができるまでの背景

オーストラリア生まれの哲学者ドルフ・シュタイナーが提唱した、教育思想、実践がもととなっています。1919年にシュタイナーは、ドイツのシュトゥットガルトで工場労働者である子どもたちに対して教育施設「自由ヴァルドルフ学校」を設立します。そこでは独自の思想をベースにし、知性以外にも全人的な成長を促すことを目的とした教育に取り組みました。その後、シュタイナーの理論に基づいた教育施設が世界中に広まっていきました。

シュタイナー教育の具体的な方法

シュタイナー教育は、子どもの環境や子どもに接する方法にいろいろな特徴を持ちます。例えば、早期の知的教育を避けるためにテレビやゲームは禁止しており、絵本なども使わずに、お話のみで物語を伝えることで子どものイメージを膨らませます。そのほかにも、どんな教科でも歌を歌うなどをして芸術活動を通じて学びを提供したり、異年齢の縦割りクラスを組んだりします。

シュタイナー教育によりどんな子どもに育つの?

シュタイナー教育は、子どもに知識を詰め込んで数値化して評価するのではなく、伸び伸びと育てることに重点を置いているため、自分で考えて行動することができる人間になります。そのため、シュタイナー教育の歴史が長い海外では、自分で事業を行う起業家や、芸術性が養われるとされるため、芸術家やアーティストが多く生み出される、と言われています。

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