しつけと虐待の違いとは
テレビや新聞のニュースで、虐待事件について見聞きすることがあるでしょう。多くの場合、虐待者の言い分は「しつけのつもりだった」というものです。ただの言い訳なのか、本当にそう思っていたのかはわかりません。しつけと虐待はどう違うのでしょうか。
虐待には肉体的精神的な苦痛がともなう
しつけと虐待の決定的な違いは、「暴力があるかないか」です。たたく、つねるなどの肉体的な暴力がある場合は、しつけとは言えません。「手加減している」「痛くないとわからない」という言い分は、「しつけのつもりがエスカレートして…」という言い訳に簡単にシフトします。そもそも「痛い思いをするからやめよう」という単純な抑圧で行動を制限することは、本当の意味でのしつけと言えるでしょうか?直接的な暴力ではなくても、ののしるような言葉や無視などの態度も暴力の一種です。
しつけには反抗する自由がある
子ども自身や周囲の人を危険にさらすような行為や、人を傷つけるような行為は、どんなに厳しく叱ってもやめさせなくてはなりません。思わず手が出たり、大声で怒鳴ったりすることもあるでしょう。そこだけを切り取って、虐待と考えるのは意味の無いことです。
しつけは、常に生活の中にあり、繰り返し行われる教育です。そして、受ける子どもにも、反抗する自由があります。よくない行為の中にも子どもなりの理由があり、意味があることが多いのです。叱りながらもその理由を親が聞いてやる余裕があること、子どもが自分の感情を素直に表現できることが、しつけと虐待の違いだと言えます。
おわりに
虐待はけして容認できない行為です。しかし、状況によっては誰でも加害者になる可能性があります。自分のしつけに不安を感じたり、子どもに手をあげてしまったり、思い悩んだときには身近な人に相談してみましょう。行政が開設している匿名の電話相談や、民間の相談施設もあります。周囲で虐待の疑いがある場合も児童相談所など、公的機関に相談してください。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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