子どもの読解力を伸ばす方法。すべての教科には読解力が大切な理由

子どもの読解力
日本人の識字率は、ほぼ100%。だれでも文字が読めることは普通のことですね。では読解力となるとどうでしょうか。文字は読めても文章の意味がわからないようでは、困ってしまいますね。読解力は、一朝一夕では身につきません。子どもの頃から読解力を伸ばす訓練が必要です。子どもの読解力を伸ばす親の関わり方と具体的な方法についてまとめました。

日本の子どもの読解力は低下している?!

読書習慣がない
「PISA」と呼ばれる国際的な学習到達度テストがあります。OECD加盟国を中心とした国の15歳を対象に、数学的リテラシー、科学的リテラシー、読解力をテストします。2018年に実施されたテストで、日本は読解力15位という結果でした。2015年におこなわれた同テストでは、8位でしたので、倍近く順位を落としてしまったことに…。

危惧される子どもの本離れ

子どもの読解力が低下している原因のひとつに、読書離れがあげられています。インターネットの普及やSNS文化の発展により、文字を読む機会は増えているのですが、本を読む時間が減少しているのです。文部科学省の子どもの読書活動推進に関する有識者会議の資料によると、小中学生の不読率は、低位で推移しているのが現状です。
学校によっては、朝読書や教室に図書室の本を移動して配置するといった取り組みをおこない、子どもたちが本に親しめる環境を工夫しているところもあるでしょう。読解力を向上させるためには、「文章を読む」という習慣は欠かせないのです。

学習の基礎となる読解力の重要性

読解力の有無は、国語の成績に直結するだけではありません。読解力は、算数、理科、社会など、ほかの教科でも重要になる基本的な能力です。各教科の教科書を読み、内容を理解することが必要ですし、テストの問題を読み、求められていることを理解しなければ、正しい答えを出すこともできません。
「算数の計算問題は得意だけれど、応用問題は苦手」という場合は、問題の文章を読み解くことができていない可能性がほとんど。人は、ものを考えるときに言葉を使います。映像などから直観的に理解するケースもありますが、より深くものを考えるときや、抽象的な概念を理解する必要があるときは、言葉は不可欠です。読解力の不足は、思考力の低下にもつながります。

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子どもの読解力向上に必須 親の関わり方

本の読み聞かせ
読解力を伸ばすには、たくさん本を読むことが近道です。しかしそもそも読書が苦手な子どもにとっては、苦痛でしかありません。楽しくないことは続けられませんし、読書をするには時間も必要です。そのため、効率的な読解力向上には、親の関わり方が大切になってきます。つきっきりで訓練するのではなく、生活のなかのちょっとした工夫で子どもの読解力が向上する環境作りをしてみましょう。

読解力を育てる声かけ

読解力の基本は、文章のなかの事実関係を把握することです。学校で習っているお話などを題材に、5Hについて聞いてみましょう。「いつ(When)だれが(Who)どこで(Where)なに(What)をした」お話なのか、説明できれば、事実関係の読み取りができています。テストされている、と感じるのは子どもにとってストレスになるので、「おもしろそうだね、どんなお話なの?」と聞いてあげると気分よく話せます。

子どもが「わからない」と言う場合や、うまく話せないようなら一つひとつ確認してみます。理解が進んだら、さらにもう一段階、「なぜ(Why)そうしたのか」を追加してたずねてみます。この質問は、国語の問題によくある「主人公の気持ちを読み取る」という部分になります。

正解を出すことが目的ではなく、「文章を読むとき、どこに注意すればいいか」という道筋をガイドするような気持ちで声かけをしていくことをおすすめします。算数の文章問題も、整理しつつ読むことで読解力がついてきます。

低学年には読み聞かせも有効

子どもが小さい頃は、絵本の読み聞かせをしていたというご家庭もあるでしょう。文章を読むことに不慣れな子どもの場合は、小学生になってからも読み聞かせをおこなうことも有効です。耳で聞いた文章や、目で追った文章を、頭のなかで自分なりに理解していく作業が読解力を養います。「だれが出てきた?」「なにをしていた?」などの質問は、やはりテストのようになりますので、「どんなところがおもしろかった?」「お話のなかでだれが好き?」など、感想を話し合うと、楽しく練習できるでしょう。

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