いじめや虐待から自分を守る。分かりやすく学べる「こども六法」とは

大人に知ってほしい権利の話

子どもの権利
「こども六法」に掲載されている少年法といじめ防止対策推進法は、子どもを守るための法律です。子どもを守るということは、子どもの権利を守るということです。私たち大人は、大人と同じように、子どもにも権利があるということを理解する必要があります。

国連総会で採択された「子どもの権利条約」

かつて子どもは大人の付属物として扱われていました。しかし、1989年に国連総会で「児童の権利に関する条約」が採択され、子どもも大人と同じように権利を持つことが明言されました。通称「子どもの権利条約」と呼ばれるもので、日本は1994年に同意しています。権利条約は、子どもが持つ生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利を保障しなければならないと定めています。子どもの基本的な人権の尊重ほか、31条には「休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活および芸術に対する子どもの権利」という内容もあります。

「いじめ」や「虐待」は権利を侵害する「犯罪」

私たちは、憲法により基本的人権を認められています。これは、大人も子どもも同じです。「いじめ」という言葉は軽く聞こえますが、幸福に生きる権利を侵害する「犯罪」です。暴力や持ち物を隠す、壊す、脅してお金を持ってこさせるなどの行為は、刑法で罰することができます。「虐待」を「ただのしつけのつもりだった」という大人もいますが、子どもは大人の持ち物ではなく、権利を持ったひとりの人間です。大人が、「子どもは未熟だから大人のいうことを聞いていればいい」と考えるのは間違いです。もし、子どもからいじめや虐待の被害について口にしたら、「気のせい」「あなたも悪い」ではなく、しっかりと話を聞いてあげてください。

おわりに

「こども六法」はとても読みやすい本です。イラストもかわいいですし、文章も平易な言葉で理解しやすく書かれています。子どもの問題をすべて法律で裁けといっているのではなく、自分を守る法律があると分かってもらうことが目的です。そして、こうした法律があるということは「いじめ」の抑止力にもつながります。ぜひ一度手にとって、内容について子どもたちと話をしてみてください。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

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