痩せ願望で悩まないための対処法について
痩せ願望を子どもが抱えてしまうのは、ソーシャルメディアの影響はもちろん、痩せ願望の裏に隠された悩みを表現できていないからという問題もあると言えます。
痩せ願望で葛藤している子どもに対して、親ができるサポートにはどういうものがあるのでしょうか?
ソーシャルメディアの利用目的を家庭で話し合う
ソーシャルメディアで情報を収集することは、生活をするうえで役に立つことも多くあります。しかし、莫大な情報の中には、正しいものも誤ったものも混在しています。そのため、ソーシャルメディアを利用するには適切な情報を見定めることが必要になります。
子どもはまだ、自分ひとりでは判断出来ないことが多いので、定期的に親が子どもとソーシャルメディアについて話し合う機会を持つことを心がけてくださいね。
痩せている=美しいという過度な価値観を和らげる
痩せている=美しいという価値観は、メディアが作り上げた部分も大きいと言われています。
しかし、国や文化によっては痩せていることが美しいとは感じないケースも存在しますし、子ども自身が太っていると思っていても、実際にはそうではない場合もたくさんあるのです。
親はこれらのことを、子どもに伝えることが重要になります。ただ、それでも子どもが「自分は太っている」と思い込んでいる場合は、客観的にはそうではないことを理解させてあげてください。子どもの適切な標準体重が計算できる方法もあるので、それに子どもの現在の状態を当てはめながら説明するのも効果的です。
痩せることのデメリットについても教える
前の章でもお伝えしましたが、痩せすぎは子どもに悪影響を及ぼします。しかし、世間では肥満に対するデメリットは多く伝えられていますが、痩せることへのデメリットはそれに比べると目立たないですよね。このような現状があるからこそ、子どもは太ることへの恐怖感の方が強くなってしまうのです。
そのため、親は痩せることで深刻な病気になってしまう可能性があることや、将来病気になるリスクが上がることを、子どもに丁寧に教えてあげましょう。
おわりに
現在は、ソーシャルメディアで簡単に他人の様子を見ることができるようになりました。それは役に立つこともありますが、小学生まで痩せ願望を持ってしまうなどのデメリットも生じてしまうのです。極端な情報に惑わされないためには、親が子どもと日頃からコミュニケーションを密にしておくことが大切だと言えます。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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