子どもの虫歯予防に、近年シーラントが人気です。イヤイヤ期の子どもに手を焼いているパパやママの支持を集めています。シーラントは小さい子にも簡単に施術ができ、身体にも負担がない点が特徴。人気の理由をくわしく解説します。
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シーラントが虫歯予防になる理由
虫歯菌は、口のなかに残った食べ物や、歯に付着した糖を分解して繁殖します。そのため、虫歯予防には歯磨きが一番。歯ブラシで1本1本の歯を丁寧にブラッシングして、食べかすや汚れを取り除きます。できれば食後30分以内に磨くことが奨励されています。歯磨きの補助的な施術として、虫歯予防に効果があるのがシーラントです。
シーラントは歯のデコボコを埋める
シーラントは、歯のデコボコした溝を埋める施術です。シーラント剤と呼ばれる、歯科用樹脂を使って溝を埋めていきます。子どもの奥歯、特に生え変わった永久歯は溝が深く、食べ物が残りがちです。歯ブラシの先も入っていかないような溝に、こうした食べ物が残っていると、そのまま虫歯菌のえさになってしまいます。そこで、シーラントの登場です。溝を埋めて、食べ物が残りにくくすることで、虫歯菌の繁殖を防ぎます。
シーラント剤はフッ素配合されている
シーラント剤には、虫歯予防に効果が認められているフッ素が配合されています。フッ素は、自然界にある元素のひとつ。魚やお茶などに含まれています。歯の質を強化したり、虫歯菌の働きを抑制したり、歯の再石灰化を促したり、虫歯予防に役立ちます。フッ素配合されたシーラントを歯の溝に注入すると、歯の表面からフッ素が取り込まれ、虫歯に対抗できる強い歯を作ります。
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シーラントが人気になる理由
虫歯予防に効果的とはいえ、シーラントは万能ではありません。きちんと歯磨きをしなければ、普通の歯と同じように虫歯になってしまいます。それでも、シーラントを4年以上続けることで60パーセントの虫歯予防になることが報告されています。
費用は保険適用の安全素材
虫歯予防の効果が高いとされるシーラントは、保険適用される処置です。費用も3割負担ですみますから、安心ですね。地域によっては、子どもの医療費は無料、もしくは一部負担ですむところもありますから、さらに助かります。虫歯が進行すると、治療するためには費用も時間もかかります。当然痛みも。シーラントで予防しておけば、結果的にお金も時間も節約できて合理的ですね。シーラントに使われるレジンなどの素材も、身体に影響を与えるものではなく、安全なものです。
歯磨きイヤイヤ期でも安心
シーラントは、歯磨きを嫌がるイヤイヤ期の子どもたちや、大きくなって仕上げ磨きを断ってくる子どもたちには特に有効です。子どもの歯をしっかりきれいにしてあげられるのは、子育て中のほんの一時期のみ。あとは、指をかまれたり、無理やり口を開けさせたり、何かに夢中になっている間にサッと磨いたり、親の苦労ははかりしれません。完全に虫歯を予防できるわけではありませんが、シーラントをしておけば、磨き残しを少しでも減らすことができますから、人気になるわけです。
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シーラントの手順とメンテナンス
歯の溝を埋める施術というと、奥歯のへこみがまったくない歯になってしまうように感じますが、そうではありません。歯のでっぱりやへこみは、食べ物をかみ砕いたりすりつぶしたりするのに必要です。シーラントが埋めるのは、掃除の行き届かない、すじのような深い溝だけです。
おすすめは3~6歳ごろ
シーラントのおすすめ時期は、3歳から6歳ごろです。子どもによって差はありますが、3歳から4歳ごろにかけて、乳歯の奥歯が生えてきます。そして、5歳から6歳ごろには、はじめての永久歯が生えてきます。これは、6歳臼歯(ろくさいきゅうし)といいます。この歯は、乳歯から生え変わるのではなく、いきなり大人の歯として乳歯奥歯の奥に生えてきます。処置自体は、歯を削ることはなく、痛みもありません。歯を洗浄してシーラント剤を注入し、光をあてて固めるだけなので時間もかかりません。
3カ月に1回は定期検診を
シーラントは、一度処置しておけばいつまでも安心というわけではありません。溝を埋めただけですから、時間がたてば取れてしまうことがあります。予防歯科の観点からも、3カ月に1回は定期検診をするといいでしょう。ちょっと大変なら、半年に1回でもかまいません。ときどきは様子を見てもらってください。虫歯の発見も、初期のうちなら治りもはやいです。子育てに忙しくて後回しになりがちな、大人の歯も一緒に診てもらいましょう。
おわりに
子どもの虫歯予防は、まずは歯磨き。その補助的な処置として、シーラントがあります。フッ素塗布と同じく処置が簡単で、費用も高くはなく、子どもの負担にもなりません。食事の際も気になるものではなく、かみ合わせにも大きな影響はありません。いいことずくめで人気が出るのもうなずけます。ただし、油断は禁物。あくまでも予防措置ということは忘れずに。子どもが歯医者さんをこわがらないうちに、検討する価値はありですね。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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