赤ちゃんが無防備に、両手をあげて「バンザイ」して眠っている姿は、なんとも愛らしいものですよね。しかし、誰しも一度は、赤ちゃんがどうしてバンザイをして寝るのか疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。実はそこにはちゃんとした理由があったのです。今回はかわいさ爆発の、「赤ちゃんがバンザイして眠る理由」と、注意したいポイントについてご紹介します。
「体温調節」のためにバンザイしています
赤ちゃんのバンザイ寝にはさまざまな説があります。まずは、今の時点で一番明確に裏付けがあるものからご紹介します。それは、『布団から手を出すことによって「体温調節」しているため』だという説です。ではなぜ、赤ちゃんはバンザイして体温調節が必要なのでしょうか?そのメカニズムを見ていきましょう。
赤ちゃんは体温調節機能が未熟です
赤ちゃんはママのお腹の中にいる間は、ほぼ37度という一定の温度環境で過ごしてきました。それが、出産により、突然まったく違う温度の中に身を置くことになります。そして、生まれたばかりの赤ちゃんは、体の中に溜まった熱を汗として放出する機能がまだまだ未熟です。そのため、手を布団の外に出すことで熱を放出して苦手な体温調節を行っていたのです。
体温が上がりすぎた状態ではSIDSという病気にかかるリスクが高まるなど、注意が必要なので、赤ちゃんがバンザイをして寝ているときはそのままにしておきましょう。パパやママが赤ちゃんのためにしてあげたことが、かえって赤ちゃんの体温調節を妨げることがあります。それはどんなことなのか、確認していきましょう。
服の着せすぎと布団のかけすぎに要注意
赤ちゃんの平熱はママのお腹の中にいた時とほぼ同じで37度前後、大人より少し高めです。寝るときには布団に熱気がこもり体温が上がりやすくなるので、服の着せすぎや布団のかけすぎには注意が必要です。赤ちゃんがムズがってなかなか寝付けない時には、体温が上がりすぎている場合があります。服や布団の枚数を調節してあげてください。
ミトンは体温調節を妨げになります
爪で顔をひっかいてしまう、手が布団の外に出ていると寒そうなどの理由から、赤ちゃんにミトンをつけて寝かせることがありますよね。上述した通り、体の中心の体温調節を手で行っているため、ミトンで塞いでしまうのは危険な行動となります。同じ理由で、バンザイしている赤ちゃんの手を布団に入れ直すことも必要ありません。
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バンザイは「腹式呼吸」を妨げないため
もう一つ、「腹式呼吸」を妨げないためだということが理由として挙げられます。ここでは、赤ちゃんがしている腹式呼吸とはどんなことか、そのメカニズムと注意したいポイントついて見ていきましょう。
赤ちゃんは腹式呼吸をしています
新生児期の赤ちゃんは、体温調節機能だけではなく、肺や呼吸器もまだまだ未発達です。そのため、お腹にある横隔膜を使った腹式呼吸をしています。手を下げた状態で腹式呼吸をすると手が当たっている部分に余計な負担がかかってしまいます。スムーズな腹式呼吸をするために、赤ちゃんはバンザイをして胸を開く姿勢をとっています。
腹式呼吸がうまくできないと発生するリスク
腹式呼吸が妨げられた場合に発生するリスクには、呼吸不全や呼吸困難などが考えられます。赤ちゃんは代謝が激しいわりに肺や気道も小さく、とても繊細で柔らかです。呼吸器官の未発達な部分を腹式呼吸で補っているわけですから、腹式呼吸が妨げられてしまうと容易に呼吸困難に繋がってしまうのです。
腹式呼吸を妨げないための注意ポイント
パパやママが赤ちゃんを大事に思うからこそ、ついやってしまいがちな行動なので、気をつけましょう。
- 寝ているときにバンザイしていても、無理に姿勢を直さないこと
- おむつをつける際には、おへそを出してお腹を圧迫しないようにすること
- 寝ているときには、お腹の上に手をのせないこと
赤ちゃんの腹式呼吸を妨げないため、ひいては赤ちゃんの命を守るために大切なことですので覚えておいてくださいね。
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