「モンスターペアレント」という言葉を聞いたことがある方は、多いかと思います。しかし最近ではシルバーモンスターという人たちが増えていることをご存知ですか?突然怒り出し、他人に迷惑をかけるシルバーモンスター。公園や公共施設で遭遇するかもしれないシルバーモンスターの特徴や対処策などについて、お伝えします。
シルバーモンスターって一体どんな人?
シルバーモンスターとは、65歳以上でいきなり激高する人のことを言います。ターゲットになった人は特に悪いことをしていないにもかかわらず、彼らが気に障る言動をした瞬間に、相手にケンカを売るようなことをしたり、クレームをつけ続けたりするのです。このようなシルバーモンスターの特徴を、以下に詳しく見て行きましょう。
前触れなくキレる高齢者の男女のこと
シルバーモンスターには、性別は関係ありません。男性も女性もいます。例えば電車の隣に座っていた女性が足を組んだ瞬間に突然怒り出し、「アホ!」などと暴言を吐きながら、持っていた新聞紙で女性のひざをたたいた高齢の男性がいたそうです。しかし、女性が抵抗したにも関わらず、クレームを男性は続けました。最終的には駅員が止めに入ったものの、乗車拒否をし、被害者の女性の方が電車を降りるというアクシデントが発生しています。
特に子どもや若者にやつあたりする
シルバーモンスターは、自分の気に障った人がいると、激しく文句を言ってきます。その対象はさまざまですが、子どもや若者にその矛先を向けるケースもあります。某県では、小学生の子どもにタバコのポイ捨てを注意されたといって、その子どもの首をしめたり、電車内のベビーカーが邪魔になると、そこに乗っていた赤ちゃんの頭を殴ったりという事件も生じているのです。自分の孫世代の子どもに、悪びれることなく暴力を働くというのは悲しいことですね。
暴行などで警察に検挙されることもある
突然怒り出すシルバーモンスターと遭遇するだけでも怖いものですが、平成29年の犯罪白書によると、65歳以上の高齢者が20.8%も検挙されているというデータが出ています。検挙されるというと、若者のイメージがあるかもしれませんが、他の年代よりも、最も多くなっているというので、驚きですね。また、この数値は20年前と比べて、40倍程度にのぼっているといわれています。
合わせて読みたい
シルバーモンスターにはさまざまなタイプがある
シルバーモンスターは、気に入らないと思った相手に文句をつけたり、困らせたりという行動を取りますが、その方法にはさまざまなものがあります。なぜなら、シルバーモンスターはいくつかのタイプに分けられるからです。
インテリ型シルバーモンスター
インテリ型のシルバーモンスターは、些細なことやアラを見つけ出し、相手を説教しながら自分の問いに完璧に対応させようとすることが特徴です。こういうシルバーモンスターに対しては、言い返すなどの行動に出ると、余計に事がややこしくなる場合も多いとされています。彼らは、自分が現役時代に培った交渉力を武器に、相手を打破することに快感を得ているのです。
思い入れ型シルバーモンスター
自分の考えや理想に外れた出来事が起こったときに、相手を責めるタイプのシルバーモンスターです。たとえば、理想をもつのは悪いことではありません。しかし自分の思い通りに周りがいつも動いてくれることは不可能です。また自分の孫が可愛いゆえに、相手に「私の孫に何かあったら、どうしてくれるんだ!」と怒り出したりもします。このような場合は、孫に褒められたい、すごいと思われたいという気持ちが根底にあることもめずらしくありません。
自己中心・歳を言い訳にする・孤独型シルバーモンスター
現役時代によい地位にいたことがある人は、自分は特別であると思い込みんでいることがあります。相手にいうことを聞かせたいと感じる自己中心型や、歳を取っていることを理由にして、無理難題な要求を通そうとするお年寄り強調型も。さらには寂しいからといって何時間も自分のことを話したり、相手のプライベートなことを尋ねてくる孤独型のシルバーモンスターもいます。一見、シルバーモンスターだとわかりにくい場合もありますが、何かのきっかけで被害者意識や不満を感じ、怒り出すケースが存在します。
合わせて読みたい
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。