近年では、ゲームやテレビなど室内遊びの時間が増えたこともあり、子どもたちの遊ぶ環境が少しずつ変化してきています。戸外遊びにおける環境の変化もそのひとつ。一昔前までは公園でよく見かけた子ども向けの遊具が、徐々に減ってきているのが現状です。
公園での遊びやふれあいは、子どもの成長にとっても大切なひととき。現在、公園にはどういったことが起きているのでしょうか?
公園から子どもたちの遊具が減少?その背景とは
パパやママが幼い頃に遊んだ遊具たち。最近、撤去されてしまったという声がよく聞かれます。公園から子どもたちの遊具が続々と減ってきている、その社会的な背景を探ってみました。
事故多発を問題視し「リスク回避」
近年では、子どもが回転遊具で指を挟んだ、遊具から落ちて大けがをしたなど、さまざまな報告がされています。なかには命を落とすような重大な事故も含まれ、国でも問題視されているのが現状です。一度事故があると、その後の対策を検討するなかで再度の事故を未然に防ぐため、撤去する自治体や施設が多いといえます。
老朽化による撤去も
パパやママが子ども時代に遊んでいた遊具の多くは、設置されてから数十年経過しているものもあるなど、古さが目立ちます。設置されてから毎日、雨や風、日差しなどにさらされ、ペンキがはがれるなどの経年劣化も不安材料です。
金属の腐食など老朽化によって、撤去されている遊具もあります。
特に「動く遊具」は大幅に減少!
動く遊具に関しては、事故の危険性・老朽化ともにリスクが高く、撤去されている数が多いのが特徴です。例えば、箱型ブランコや回転ジャングルジム・シーソーなど。昔よく遊んだこれらの遊具、最近見かけなくなったという人もいるのではないでしょうか?
近年では新しく設置されることがないのはもちろん、設置されてから時間がたっていることもあり、危険性も加味して撤去されるケースが多いです。
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遊具は減っているけれど公園の数はどうなの?
子ども向けの遊具は続々と撤去されており、子どもの遊び場が減少するのでは?と不安になるパパやママもいるのではないでしょうか?現在の日本における公園の数をはじめとした現状について見てみましょう。
公園自体は増加傾向にある「ふしぎ」
子どもが利用する遊具は撤去されているものも多いなか、実は公園の数や面積は増加しているのです。都市公園データベースによる「都市公園等整備の現況等」のなかで、2016年末時点での都市公園の箇所数は106,849カ所。前年と比較すると1,279カ所の増加です。
また、面積も約124,125 ha(前年比、約 1298ha 増加)、1人当たりの都市公園等面積は約10.3 ㎡/人(前年比約0.1㎡/人)と、それぞれ前年を上回っています。公園自体については減少していないので、戸外遊びに関しては環境があると安心してもよさそうです。
昔はなかった「健康遊具」が増えている!
一昔前までは、「公園」といえば子どもが遊ぶ場所と認識されていました。日本には公園に関する法令として「都市公園法施行令」がありますが、1993年の改正に伴い「児童公園」との名前も消えてしまっています。
一方で、高齢者のニーズに合わせ、「健康遊具」を設置する公園が増えています。例えば、ストレッチをしたり、ぶら下がりをしたりする遊具など。少子高齢化に伴い、公園のあり方に変化があらわれているともいえるでしょう。
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長男(小1 )・次男(年中)の二児を子育て中。総務・人事・経理などの事務職に従事し、産休・育休ののちに離職。その後フリーライターとして、出産育児・ビジネス・働き方関連・就職転職・地方創生など幅広いテーマを執筆しながら早4年目に突入しました。
男の子2人の育児に翻弄されつつも、我が子には「思いやりのある子・人の痛みのわかる子」になってほしいと願いながら慌ただしい毎日を過ごしています。
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