近年では、幼い子どもを車内放置したことによる痛ましい事故が後を絶ちません。「ほんの少しだけ」「すぐに戻ってくるから」などといって子ども1人を車内放置するのは、幼い命に関わる大変危険な行為なのです。
今回は、エンジンを切った車内がどのような状況になっているのか、その危険性とともに、車内に取り残された子どもを見つけたときの対処方法にもスポットを当ててご紹介します。
エンジンを切った後の車内の状況
屋外に車を駐車し、エンジンを切った後、車内温度がどのように変化するのかを調べたデータがあります。日本自動車連盟(JAF)が行ったユーザーテストの結果をもとに、車内の状況がどのように変化しているのかを見ていきましょう。
特に真夏はあっという間に灼熱(しゃくねつ)に!
JAFが2012年8月に行ったデータ(12時~約4時間計測)によれば、12時に約25度だった車内が、エンジンを切って約30分後には40~45度程度、1時間後には40~50度程度にまで上昇したとこのこと。特に車体が黒で日よけなどの対策もしなかった場合、車内は平均51度、最高で57度、さらにダッシュボードは79度まで上昇!
ただし、車体が白、サンシェードや窓開けによって温度が若干下がることも報告されています。
エアコン停止からわずか15分で熱中症危険レベル!
車内の熱中症指数(WBGT)を調べたデータによれば、エアコン停止時はWBGTが20度程度だったのが、5分後には25度程度(注意~警戒レベル)、15分後には31度程度(危険レベル)にまで達しました。
WBGTとは、1950年代にアメリカで提案された指標であり、湿度、 日射・など周辺の熱環境、 気温の三つを取り入れられた指標です。体温調節機能が低い乳幼児や高齢者にとって、エアコン停止後わずか15分で、車内は身体に危険な状況となるのです。
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車内放置の子どもを発見した際にとるべき行動
わが子を車内放置しないことはもちろん、外出先でも車内に放置された子どもを見つけた場合に、適切な対応が命を救うことにもつながります。実際にどんな対応をするといいのでしょうか?
駐車場の管理者に報告する
車がどこに駐車されているかによりますが、スーパーやパチンコ店など、各種店舗の駐車場であれば、まずはその駐車場管理者へ報告するようにしましょう。そのまま放置してしまえば、命の危険に関わることもあります。駐車場管理者に報告することで、車の所有者に連絡する手段もスムーズに手配してもらえる可能性が高いです。
子どもの状況を確認する
まずは車内の子どもの状況を確認しましょう。眠っているのか、泣いているのか、それともぐったりしているのか。状況によっては大人がすぐに戻ってくることも考えられます。場合によっては5分程様子を見てみるというのもいいでしょう。
子どもの様子がおかしいな、と感じた際は、すでに車内放置からかなりの時間が経過している恐れもあります。その場合、駐車場管理者に連絡が取れないようであれば次に解説する方法で対処しましょう。
警察や救急などへ連絡して指示を仰ぐ
勝手な判断で大騒ぎしてしまうのも問題です。まずは適切な判断をすべく、警察や救急へ連絡をするといいでしょう。現在の子どもの状況、発見してからの経過時間、駐車されている現場の気温や天候などの外的環境も適切に伝えます。どういう手段が必要なのか、指示を仰ぐことで、個人の判断よりも最善の方法をとれる可能性が高くなるでしょう。
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長男(小1 )・次男(年中)の二児を子育て中。総務・人事・経理などの事務職に従事し、産休・育休ののちに離職。その後フリーライターとして、出産育児・ビジネス・働き方関連・就職転職・地方創生など幅広いテーマを執筆しながら早4年目に突入しました。
男の子2人の育児に翻弄されつつも、我が子には「思いやりのある子・人の痛みのわかる子」になってほしいと願いながら慌ただしい毎日を過ごしています。
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