近年、家庭から出るゴミの収集を有料化する自治体が増えています。有料化地域では、有料の指定ゴミ袋にゴミを入れて出すという方法が採用され、ゴミの量が多くなるとゴミ袋の出費が増えます。そこで、今回は有料ゴミ袋を節約する=ゴミを減らす方法についてご紹介します。環境にも、お財布にもやさしいゴミの減らし方について考えてみましょう。
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環境にも財政にも負荷をかけるゴミ問題
ゴミの収集を有料化しなければならない背景には、ゴミ収集のためのコストが自治体の財政に負担をかけている点に加え、ゴミの増加が環境を圧迫していることも挙げられます。全国のゴミ有料化の状況について、簡単に見ておきましょう。
伸び続ける家庭ゴミ有料化実施率
家庭から出されるゴミは年々増加の一途をたどり、埋め立て地の確保が難しくなったり、ゴミの処理が環境に与える影響が懸念されたりと、ゴミ問題は深刻化するばかりです。1990年代からゴミの処理を有料にする自治体が増加し、2000年には19・5%の市・区で有料化が実施されるようになりました。その後も有料化に踏み切る市・区は増え続け、2018年4月時点で57・6%の市・区が家庭から出るゴミの収集を有料にしています。家庭から出るゴミの収集を有料化する自治体は今後も増えると考えられ、市民のゴミや消費に対する高い意識が求められることになります。
有料ゴミ袋は大袋で30~40円
「ゴミの収集を有料化する」とは、具体的には収集用のゴミ袋を買うこと。自治体が指定したゴミ袋でゴミを出さなければ、収集してもらえないというシステムです。大・中・小などいくつかの大きさのゴミ袋が販売され、いちばんゴミ出しに使われる40リットルほどの大袋が30~40円台(1枚)という自治体が多いようです。大袋の価格は自治体によってバラツキが大きく、10円以下というところもあれば、90円以上というところもありました。自治体が指定するゴミ袋は、収集作業の効率化に加え、「ゴミを減らすという意識を市民に持ってもらう」という意味合いがあるためか、市販の大袋に比べると割高になることも多いですね。お財布のためにも、そして環境のためにも、なるべくゴミの量を減らしたいところです。そこで、次から有料ゴミ袋を節約する=ゴミの量を減らすアイデアをご紹介しましょう。
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「リデュース」=必要な分だけ買う
ゴミの量を減らすには、まずムダなものを買わないという考えを徹底することが大切です。ゴミ減量の大切なポイントとして
「3R(Reduce=リデュース・Reuse=リユース・Recycle=リサイクル)」
がよく知られていますが、「リデュース」は「切り詰める、減らす」という意味があります。
1.冷蔵庫チェック、簡素な包装のものを選ぶ
食料品を買う前に、冷蔵庫の中身を必ずチェック。必要なものをメモなどして把握してから買い物に行くようにしましょう。生鮮食料品の衝動買いや重複買いは、生ゴミを増やしてしまうことにつながります。
また、スーパーに並んでいる肉で、最近はトレーを使わない包装のものが登場しています。ゴミ削減にもつながるので、そうした商品を積極的に買いましょう。食料品以外では、洗剤やシャンプーなどの詰め替え用をぜひ選んで。プラスチック容器に比べて詰め替え用はかさばらず、ゴミの容量を大幅に減らすことができます。
2.ペットボトル飲料や使い捨て食器を控える
ペットボトル飲料も家庭から出るゴミの中で多くを占めるものであり、かさばるのでゴミ袋がすぐにいっぱいに。ペットボトル飲料を買う本数を意識的に減らしてみましょう。家でお茶やコーヒーを作ってマイ水筒に入れるのが理想ですが、2Lの大きさサイズのペットボトル飲料を買い、マイ水筒に詰めて持ち歩くだけでもペットボトルのゴミを減らすことができます。さらに、大きなサイズの飲料は小さなサイズのものより割安なので、経済的な効果も。マイ水筒に入れてテークアウトができるサービスをしているコーヒーショップなども、積極的に活用しましょう。
また、スーパーで買い物をしたときに渡される、使い捨ての箸やスプーンを断ること。小さなことですが、積み重ねていくとゴミを減らすことにつながります。
3.食品を食べきり、生ゴミを減らす
日本では年間に約5000万トンの生ゴミが排出され、そのうち約52%が家庭から出ているといわれています(JFS「日本の生ゴミ事情」2004年1月)。生ゴミの量を減らすことは、ゴミ問題において大きな課題といえるでしょう。ごはんの作り方を工夫し、「食べきれなかったから捨てる」量を減らしましょう。下ごしらえの状態で冷凍する、余ったおかずを別のものにリメークする、根菜類の皮も調理するといったさまざまなアイデアがネット上でたくさん紹介されています。生ゴミの量を減らす、いちばん手軽な方法は生ゴミの水分を減らすこと。水を切ったり、野菜くずを干したりして処理するだけでもゴミのかさを減らすことができます。
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「リユース」=ものを再利用する
ゴミを減らす方法のひとつに、「使い捨てにしない」ということが挙げられます。あとで説明する「リサイクル」とよく混同されますが、「リユース」はものそのものの形を変えずに再利用すること。リサイクルやフリーマーケットの利用は「リユース」にあたります。
4.一時的に必要なものはレンタルショップで
ベビーベッドやパーティードレスなど、限られた期間しか使わないものはレンタルを利用することも考えてみましょう。最近は、さまざまなものがレンタルできるようになっています。リデュースの考えにもつながることですが、今、必要なものがあるとき、それは所有すべきものかレンタルで済ませられるものかを判断する必要があります。限られた期間しか使わないものは、買うよりもレンタルしたほうが、経済的にもゴミ削減の観点からも望ましい場合が少なくありません。
5.フリーマーケットやリサイクルショップを活用
フリーマーケットやリサイクルショップは、多くの人がすでに活用していると思います。最近はネット上で誰でも簡単に売買ができるようになり、こうした店で購入するだけでなく、自ら販売をする人も多くなっています。販売するときは「衣類はクリーニングに出す」「おもちゃ類は修理や整備、汚れなどを落としておく」といったマナーを守りながら、ものを再利用のサイクルにのせてあげましょう。また、これらの店を利用して購入するときも、サイズや状態を確認し、「ムダなものは買わない」という心構えを忘れないようにしたいものですね。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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