妊娠後期になると、ぐっとおなかも大きくなってきます。そこで気になるのが、妊娠線です。妊娠線ができる人できない人は個人差が大きく、できた人もいれば、まったくできなかったという人もいます。直接赤ちゃんに影響がないとはいえ、美容面では気になってしまいますよね。ここまで順調だったのに、急に妊娠線ができちゃった!と慌てている人のために、妊娠線とのつきあい方をご紹介します!
妊娠線ができるメカニズム
妊娠線とはどんなものなのか、妊娠するまではまったく知らず、関心もなかったという人がほとんどではないでしょうか。中には、妊娠すると自然におなかに出てくる印だと思っている人もいるようです。もしそうなら妊娠判定薬などいらず、大変便利なのですが、人の身体はそんなに都合よくできているわけではありません。
妊娠線は真皮層の断裂
妊娠線は、おなかが大きくなるにつれてできる皮膚の傷です。ですから、妊娠初期のおなかが平らなうちはできません。個人差はあるものの、おなかが大きくなり始めるのは妊娠5カ月頃。少しずつ下腹がふくらみ、8カ月あたりではぐっとせりだして来ます。それにつれて、おなかの皮膚はぐんと引きのばされます。人間の皮膚は、表皮と真皮と皮下組織の3層になっています。外気に触れる表皮は刺激に強く、伸縮性に富んでおり、おなかの急激な成長についてきて伸びてくれます。しかし、その下の真皮は表皮に比べ柔軟性に乏しく、急な成長に耐えきれず裂けてしまうのです。妊娠線は、この「真皮層の断裂」が傷として可視化されたものです。
妊娠線の色は変化する
真皮層は断裂しているものの、表皮が裂けてしまったわけではないので、血が出たりはしません。ただ、伸びて薄くなった表皮から毛細血管が透けて見えて、傷のように赤っぽく見えます。赤茶色だったり、赤紫色だったり、差はあるものの、全体的に赤みがかっているのが特徴的です。出産を終えておなかの皮が徐々に縮んでいくにつれて、色は薄くなり、赤みが消え、最後には銀白色っぽくなります。切り傷や、やけどのあとの皮膚のような色合いで目立ちにくくなっていきます。
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完全には消えない?産後の妊娠線
産後の妊娠線が消えるか消えないか、ということで言えば、赤い色はなくなるので「消える」と言ってもいいでしょう。ただし、どうしても白っぽいあとが残ってしまいます。理論的には真皮の断裂を治すことができれば、妊娠線は消えるはず。ところが、現段階では真皮を修復する方法は確立されておらず、産後の妊娠線が完全に消えて元通りの皮膚になることはないと考えられています。
皮膚科で行われるさまざまな治療
妊娠線は、急に太ってしまったときにできる肉割れと同じものです。皮膚の傷なので、皮膚科や美容外科で治療してもらうことができます。傷を確実に消す方法はまだ見つかっていませんが、さまざまな方法で皮膚の再生を促す治療を行います。レーザー治療やダーマローラーを使った治療では、皮膚に無数の小さな穴を開けることで、皮膚の再生能力を高めています。傷付いた身体が治ろうとする自然治癒力を引き出そうというわけですね。皮膚に血流がよくなるガスを注入して、皮膚の再生を促すという手法もあるようです。効果には個人差がありますし、出産直後は身体への負担も気になります。治療を受ける時期については医師と十分に相談してください。
家庭ですすめられているホームケア
家庭でできるホームケアはの代表的なものは、おなかに塗るクリームやローションでしょう。おなかの皮をできるだけ柔らかく、伸びしろのある状態に保つことが目的です。とはいえ、妊娠中の皮膚はデリケート。おなか中が真っ赤になって痒(かゆ)くて仕方がなかったという例もありますから、パッチテストは必ず行いましょう。家庭用のダーマローラーもあるようですが、細かいとはいえ皮膚に傷をつける処置です。自己責任になってしまいますので、慎重に判断してください。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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