保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。 3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。 生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/保育記事監修者プロフィール:伊藤美緒先生
共働きやシングル家庭など、親が働いている家の子は保育園、そうじゃない家の子は幼稚園、という枠組みは、古い考え方かもしれません。3歳という年齢を区切りとして、保育園から幼稚園へ移行するプランを検討する保護者も多いようです。さまざまな理由で転園を検討している保護者に向けて、その方法、保育園と幼稚園の違い、転園のメリット・デメリットについてご紹介します。
3歳まで保育園 3歳から幼稚園に通うには?
3歳まで保育園へ通わせているご家庭は、基本的に親が働いているか、病気療養や求職中などで保育が必要と判断されたご家庭です。就労形態の変化や、子どもの教育環境の整備を考えて、3歳から幼稚園へ通わせたいと検討する場合は、ふたつの方法が考えられます。
保育園から幼稚園に転園する
まずは、転園を希望する幼稚園をリサーチします。各園によってスケジュールは多少違いますが、小学1年時点で幼稚園卒と保育園卒の子どもには学力の違いはあるのか?だいたい6~9月の間に入園説明会や見学会を開催する園が多いようです。仕事を休む都合もあるので、随時見学にも応じてもらえるか相談してみましょう。
10月頃に願書配布があり、11月には願書を提出します。私立も公立も、願書配布・提出はおおよそこの時期で、合否の通達時期には違いがあるようです。事前に各園にしっかり確認してください。その後、保育園の退園手続きをします。退園の1カ月前など、決まりがありますので、こちらも確認が必要です。転園を考えていることを事前に先生に話しておくと、退所の手続きもスムーズですし、なにかと相談にのってもらえます。変化にともなって不安定になりがちな子どものフォローも必要ですので、担任の先生にはそれとなく伝えてみてください。
幼保一体型「認定こども園」に入る
地域によっては、幼保一体型の「認定こども園」があります。認定こども園とは、保育園と幼稚園の機能を一体化させた施設です。 0~3歳未満の保育が必要な子、3歳以上の保育が必要な子、3歳以上で保育が不要な子が一緒に生活しています。通常であれば保育園へ通う子と、幼稚園へ通う子が、ここでは4時間ほどの共通時間を過ごします。朝、保育園へ登園して、日中は幼稚園組と一緒に活動し、夕方からはまた保育園のように過ごすというイメージです。保育が必要な場合は、保育園と同様に自治体役所へ申し込みます。ただし、自治体によっては直接園へ申し込むところもあるので、必ず事前に問い合わせを行ってください。
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保育園と幼稚園の違いとは?
保育園と幼稚園には、さまざまな点で違いがあります。通わせる親にとっては、費用の違いも大きな問題ですね。保育料は収入に比例して徴収されますが、幼稚園の月謝は一律です。また、制服や体操服など備品を購入する必要があります。そのほかに、通園する子どもにとっては、大きく環境が違います。
「保育」と「教育」目的が違う
保育園を管轄する省庁は、厚生労働省、幼稚園を管轄するのは、文部科学省です。根拠となる法律も違い、保育園は児童福祉法、幼稚園は学校教育法のもとに設置・運営されています。保育園も幼稚園も幼児を保育する機関ですが、学校教育法では、「義務教育およびその後の教育の基礎を培うものとして」幼児を保育するように規定されています。つまり、保育園では、0~6歳までの子どもの保育を目的とし、幼稚園は3~6歳までの子どもの教育を目的としているわけです。
生活習慣に違いがある
生活習慣の大きな違いは、 「昼寝があるかないか」という点です。保育園では、基本的に園児は昼食後に1時間以上の昼寝をします(年長児は園により異なる)。認定こども園では幼稚園組と共通時間を過ごしますから、昼寝の時間はありません。食事に関しても法律上の違いがあります。保育園では給食の義務がありますが、幼稚園では任意です。認可保育園では、園内の調理室で昼食やおやつが作られ、温かいものを食べることができます。ただし、最近では給食にこだわりのある幼稚園も増えていますので、気になる園については個別に問い合わせてみてください。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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