多くの人を苦しめる、花粉症の発症年齢の低下が進み、幼いころから花粉症に苦しむ子どもが年々増え続けています。なぜ、子どもの花粉症が増加したのでしょうか?子どもの花粉症は大人の花粉症と何か違いがあるのでしょうか?そして、すぐにできる対策とは?花粉の季節を少しでも快適に過ごすためのヒントを紹介します。
花粉症の原因と子どもの花粉症の特徴
花粉はどのように私たちのところへ飛んで来るのでしょうか?まず植物には風に花粉を運ばせる「風媒花」と虫などに花粉を運ばせる「虫媒花」があります。そして風媒花の方がより多くの花粉を放出するため、より花粉症の原因植物となりやすいのです。スギは風媒花ですので、風で花粉を飛ばします。花粉の季節が到来すると大量の花粉が飛んでいる映像をテレビのニュースなどでもよく見ることになるのです。
花粉症とは何か?ーその原因物質と主な症状ー
花粉症とはスギ(2月~4月)・ヒノキ(4月~5月)・カモガヤ(6~8月)・ブタクサ(8~10月)、北海道など一部地域ではシラカバ(4~6月)などから飛散する花粉に対して人間の体がひき起こすアレルギー反応です。くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎症状、目のかゆみをなどのアレルギー性結膜炎症状が広く知られています。
花粉症の発症が低年齢化している原因
近年、食生活や住環境の変化によりアレルギー体質の人が急増。そこに追い打ちをかけているのが、このところスギ花粉の飛散量の増加です。戦後に植えられたスギの木が大きく成長し、元々花粉が大量に飛びやすい状況になっている上、夏の猛暑よりさらに花粉の量が増加しているのです。幼いころから大量の花粉にさらされる機会が増え、子どもでも花粉症を発症するリスクが高まっているのです。
子どもが花粉症になるとどんな症状がでるのか
子どもは鼻孔が小さくすぐに詰まってしまうため、花粉症になってもくしゃみはあまりでず、鼻づまりがおきやすいという傾向があります。これにより、食事がしにくくなってしまうことや、夜しっかりと眠れなくなってしまうなどの影響がでる場合も。鼻水も大人のように、サラサラではなく粘り気があり、風邪を疑ってしまうこともあります。また、かゆみや充血など目の症状がでやすいという特徴もあるのです。
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花粉症が疑われたらどうするべきか?
花粉症が疑われる症状がでていても、花粉の時期が終われば治るとガマンしている人も多いはず。けれど、花粉症か否か、花粉症であれば何の花粉症なのか原因を特定しておくことは、花粉症との関連性が指摘される口腔(こうくう)アレルギーを防止するためにも大切です。
まずは病院を受診して適切な治療を
花粉症に多くの人が苦しんでいるだけあって、巷には多くの情報や民間療法があふれています。けれど、有効性の検証や科学的根拠がない情報が大多数を占めているのが事実です。花粉の時期に花粉症が疑われる症状があったら、まずは医療機関を適切に受診しましょう。鼻の症状が重ければ耳鼻科、目の症状には眼科ですが、総合的に診てもらうなら小児科やアレルギー科でも大丈夫です。
病院では花粉症をどうやって診断するのか
受診する病院や科によって異なりますが、医師は問診や、鼻やのどや目の粘膜の症状を確認し、血液中の花粉に対する抗体の有無などで花粉症を診断します。ただし、乳幼児の場合は花粉症であるか確定診断がついてもつかなくても対処療法の薬の処方が主なので、採血による子どもの負担を考え、血液検査は子どもが大きくなるまで待つという場合もあります。
花粉症の人は要注意!口腔アレルギー症候群
最近知られるようになってきたのは、花粉症とOAS(口腔アレルギー症候群)の関連性です。花粉症の人が特定の野菜や果物を食べた時に、口の中に違和感があったり、のどがイガイガしたりするのが主な症状になります。花粉の中の抗原と特定の野菜や果物に含まれる抗原が似ているためにおこるとされ、例えばスギの花粉とトマトは似た抗原を持つことがわかっています。
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7歳の男の子と4歳の女の子の母です。試行錯誤の子育てですが、子ども達に成長させてもらっています。
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