保健室の先生「養護教諭」はどんなお仕事？

子どもたちに「保健室の先生」としてなじみのある先生は、正式には「養護教諭」といいます。医師や看護師とは違いますが、学校内の子どもたちや先生方の健康について責任を負っています。いつもは保健室にいて、保護者とはあまり接触のない「養護教諭」とは、どのような仕事をしているのでしょうか。「養護教諭」の仕事と役割について解説します。

保健室の先生「養護教諭」ってどんな人？

義務教育である小学校、中学校には、養護教諭を配置するよう、法律で決められています。だいたい学校ごとに養護教諭がひとり在籍するのが標準です。義務標準法で配置人数の目安は決められていますが、都道府県ごとに条例が設けられています。在籍児童が851人以上の大きな小学校では、複数いる場合もあります。

養護教諭免許状を持った学校の先生

養護教諭は、基本的には医師でも看護師でもありません。養護教諭免許状を持った、学校の先生です。ただし、なかには看護師免許を持った養護教諭もいます。養護教諭になるには、大学の養護教諭養成課程で学ぶか、看護学校に進学して看護師・保健師の資格をとったあと、養護教諭養成機関で学ぶ必要があります。学校で必要な単位を履修すれば、養護教諭免許状が取得できます。ただし、一般の教員免許状と同じで、実際に学校で勤務するためには各都道府県の教員採用試験に合格しなければなりません。

医療全般の知識と教育の知識を持っている

養護教諭養成課程では、医療全般の知識と、教育についての知識を学びます。医療に関する勉強は、小児保健学、解剖学、衛生学、眼科学、耳鼻咽喉科学など、範囲は多岐にわたります。そして並行して、教育基礎論、教育方法の技術、発達と学習の心理学、生徒指導の理論など、学校の先生として身につけておきたいことを学びます。また、学校や医療の現場に実習に行くこともあります。看護学校へ通った人は、医療に関してより専門的な知識を持っていることになりますね。

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保健室の先生はいつも何をしているの？

子どもたちにとって、保健室の先生は「いつも保健室にいる先生」です。お医者さんや看護師さんとの区別がついていない子が多いかもしれません。保護者としても、子どもが熱を出したときやけがをしたときに顔を合わせるくらいでしょう。あまり目立ちませんが、保健室の先生は実は多忙です。

標準的な1日のスケジュール

養護教諭も、一般の教職員と同じように朝の職員会議に出席します。打ち合わせのあとは、保健室で仕事をすることになります。欠席者の数をまとめたり、保健だよりを作成したり、事務的な仕事の合間に、具合の悪くなった子どもやけがをした子どもの対応を行います。養護教諭の仕事は、学校保健法に基づいて行われています。健康診断の実施、データの作成、学校内の衛生管理など、学校全体の健康管理が主な業務です。給食は保健室で食べたり、教職員と食べたり、いろいろです。放課後も部活動などがあり、けがの対応に追われることもあります。子どもにつきそって病院へ行くのも養護教諭の仕事です。

養護教諭が保健室でできる治療

養護教諭が保健室でできる治療は、限られています。看護師資格を持った養護教諭であっても、医療行為としてできることに制限があります。看護師の仕事は、あくまで医師の指示のもとで行う医療の補助であるからです。そのため、保健室でできることは、けがの消毒や応急処置、発熱や頭痛などの症状を緩和するためのケアに限られます。心配な症状や大きなけがについては、養護教諭が判断して救急車を呼ぶ、病院へ連れて行くといった対応をしてくれるので、心配はいりません。「保健室で様子を見ていました」という程度のけがや病状なら、保護者が必要に応じて医療機関を受診してください。

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