L字カーブ問題を解消するための取り組み
L字カーブ問題はすぐに解決できる問題ではありません。しかし、2020年のコロナ禍をきっかけに、働き方について従来の常識が見直されつつあります。
新たな働き方は、子育てママの働き方に大きな可能性を与えてくれるかもしれません。
柔軟な働き方と同一労働同一賃金
コロナ禍をきっかけに、在宅勤務や時間差勤務が特別なことではなくなってきました。「みんなと同じ時間に同じ場所で就業する」ことは、子育て中のママがフルタイムで働くことを躊躇させる要因の一つでした。
在宅勤務が今よりもさらに一般的になれば、家で子育てをしながら仕事をすることが可能になります。
また、正規雇用率や非正規雇用率が問題となる背景には、正規雇用と非正規雇用で賃金が異なる点があります。
正規雇用よりも低い非正規雇用の賃金は、ひとり親として子どもを育てたり、未婚で働いていたりする女性の困窮の要因となっています。
L字カーブの解消方法とは視点が異なりますが、同じ仕事内容で正規・非正規に賃金差が是正されれば、女性はもちろん、男性にとってもライフイベントに合わせた柔軟な働き方ができるでしょう。
男性の育児休暇取得を国が後押しする
厚生労働省によると、出産後の復帰の有無にかかわらず、2021年度には働く女性の85.1%が育児休暇制度を利用している一方、男性の育休取得率は13.97%にとどまっています。9年連続で上昇し、過去最高を記録しましたが「男女ともに家庭生活と仕事のバランスを考える」という観点で見ると不十分です。
政府は2025年までに取得率30%を目標としており、目標達成のためには大手企業や公務員だけにとどまらず、中小企業での取得率アップがカギを握っていると考えています。2022年4月から、男子が仕事と育児を両立できるような職場環境を整える中小企業を対象に、助成金を出す制度を拡充しました。
男性も女性も仕事と育児の両立を実現できる仕組みを整えることは、L字カーブ問題解決の重要な取り組みといえます。
おわりに
L字カーブ問題の解決には、子育てママだけでなく、パパの意識や働き方も変える必要があります。
現在、国や企業は、子育て世代の労働者が育児と仕事を両立しやすい環境づくりに取り組もうとしています。国の子育て政策や、会社の子育て支援に関する情報をキャッチできるようにしておきましょう。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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