結婚や出産を機に退職をしたけれど、子育ても落ち着いてきたしそろそろ社会復帰をしたい…なんて考えている主婦の方も多いのではないでしょうか。
そんなママたちにおすすめしたいのが「保育士」の資格です!子育て経験があるママたちは保育士試験にとても有利。なんてったって、日々自分の子どもの保育を実践しているのですから!主婦が保育士になるにはどういう方法があるのでしょうか。
保育士資格を受験するには
保育士資格を取得するには二つの条件があります。
- 厚生労働省の指定する保育士養成学校、その他の施設を卒業した者
- 保育士試験に合格した者
子育てママにとって、(1)の毎日学校に通うのはとても難しいと思います。そこで今回は(2)の保育士試験をおすすめします。
受験するには条件がある
保育士資格は国家資格です。受験するには年齢制限はありませんが、一定の条件を満たしている必要があります。自分には受験資格があるのか、まずはよく確認しましょう。
受験資格の条件
以下のいずれかを満たしている人は保育士試験の受験資格があります。
- 大学、短期大学を卒業した者
(在学中、中退の場合は二年以上在学して62単位以上修得していること) - 専門学校を卒業した者
(学校教育法に基づいた専修学校で、修業年限二年以上の専門課程であること) - 平成3年3月31日以前に高校を卒業している者
- 中学卒業後、児童福祉施設において5年以上かつ7200時間以上従事した者
詳しくは全国保育士養成協議会のホームページで案内されています。
試験は年に2回
保育士試験は前期、後期と年に2回行われています。数年前まで試験は年に1回だったのですが、保育士不足の対策として年2回に増やされました。どちらでも難易度は同じです。自分の都合にあった時期を選択しましょう。
【前期】筆記:4月、実技:7月
【後期】筆記:10月、実技:12月
申し込みするには
受験するのに必要な「受験申請の手引き」を取り寄せましょう。こちらは「全国保育士養成協議会」のホームページから申請することができます。大体試験の4カ月前から受付を開始しています。申請の手引きが送付されたら、よく読み、受験料(1万2950円)を郵便局窓口にて支払い、必要な書類を準備して期限内に申請しましょう。期限を一日でも過ぎると受け付けてくれないので、早めに準備しておくと安心です。受験申請書が受理されれば、試験の15日ほど前に受験票が送付されます。
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試験の内容は?
保育士資格を取得するためには、9科目の筆記と実技試験に合格しなければなりません。筆記試験の合格ラインは1科目につき6割以上正解することです。そして筆記試験を全科目合格した人だけが次の実技試験に進むことができます。保育士試験の合格率は毎年約20%と、決して高くはありませんが諦めてはいけません。主婦でも時間を見つけてコツコツ勉強すれば、保育士資格を取得できます!
受験科目【筆記】
筆記試験は、9科目を二日間に分けて受験します。すべてマークシートの選択方式になります。記述方式と違ってわからない問題が出ても、必ずどこかにマークすることによって正解しちゃうかも…!子育てしていると自然と身に付くような問題も出題されるので、ママにとっては有利な科目もいくつかあります。
それぞれの科目は全20問(各5点)で、12問以上正解なら合格です。
ただし、例外として「教育原理」「社会的養護」は通称「ニコイチ」と呼ばれており、各10問ずつ出題され、二科目それぞれで六割以上の点数を取らないと両方合格にはなりません。例えば「教育原理は80点、社会的養護は30点」の場合、教育原理は6割以上の点数ですが、社会的養護が不合格だと両科目とも不合格となってしまうという、厳しい科目なのです…。
試験科目 | 試験時間 | |
1日目 | 保育の心理学 | 60分 |
保育原理 | 60分 | |
児童家庭福祉 | 60分 | |
社会福祉 | 60分 | |
2日目 | 教育原理 | 30分 |
社会的養護 | 30分 | |
子どもの保健 | 60分 | |
子どもの食と栄養 | 60分 | |
保育実習理論 | 60分 |
筆記試験の合否は、試験から約1カ月半後にはがきで送付されます。はがきにはそれぞれの科目の点数が記載されていて、筆記がすべて合格していた場合には実技試験受験票と実技試験の案内も一緒に記載されています。
筆記試験が一部免除になる資格
以下の資格を持つ人は一部筆記試験が免除になります。詳しくは「受験申請の手引き」で確認しましょう。
- 幼稚園教諭免許
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
受験科目【実技】
筆記を無事合格すると、筆記試験から約2カ月後に実技試験があります。実技試験は「音楽」「造形」「言語」の三つから、好きな二分野を選んで受験します。これらは最初の保育士試験申し込みの段階で選択しておくので、筆記が終わってから「やっぱりこっちにしようかな」と変更はできません。よく考えて決めましょう。
音楽表現に関する技術
音楽は課題曲2曲を、子どもたちに聴かせることを想定して楽器を弾きながら歌います。楽器は以下の中から一つ選ぶことができます。
- ピアノ
- ギター
- アコーディオン
ピアノは会場にありますが、その他の楽器を選択する場合は持参してください。課題曲は、最初に送付された「受験申請の手引き」に、メロディーとコードのみのシンプルな譜面が記載されています。自分で前奏を付けたり、歌いにくかったら移調したりしても大丈夫です。
ここでのポイントは楽器をうまく弾こうとするのではなく、大きな声で子どもたちにも届くように歌うことだと思います。楽器が苦手ならシンプルな伴奏で、大きな声と笑顔で歌いましょう。
造形表現に関する技術
造形は「お絵描き」です。当日出されたお題にそって絵を描きます。持ち物は
- 鉛筆、消しゴム
- 色鉛筆
- 腕時計
を忘れずに持参しましょう。試験時間は45分です。お題は毎回変わるので、過去のお題で何度か練習しておくとよいですね。子どもが登場する絵を求められることが多いです。
言語表現に関する技術
言語は3歳児クラスを想定して「3分間のお話」を聞かせます。「受験申請の手引き」に四つのお話タイトルが掲載されているので、好きなものを一つ選択してください。ただし、「受験申請の手引き」にはお話の「タイトル」しか載っていません。お話の内容は自分で調べて、3分にまとめる必要があります。
おすすめの手順としては、選んだタイトルの絵本を何作か読んで、自分だけのシナリオを作成します。ゆっくり読んで3分になるようにまとめましょう。試験当日、暗記したお話の内容を子どもたちがいると仮定してお話します。3分を超えるとブザーが鳴り、そこから先を話すことはできません。3分に足らな過ぎても、オーバーしても減点の対象となりますので、しっかり練習して臨みましょう。
各科目すべて50点満点で六割以上の得点で合格になります。実技試験の合否は、この試験から約1カ月後に送付されます。そして実技も合格して無事保育士資格を手に入れたあとは、各都道府県に保育士登録の手続きを行う必要があります。登録をすると保育士証が交付され、晴れて保育士として働くことができるようになります。
実技の準備は早い方がいい
実技の準備は筆記試験の合否のはがきが届いてからでは遅いです!一番よいのは、筆記試験の勉強と並行して練習するのがよいのですが、なかなか時間が取れませんよね。
そんなときは、筆記試験が終わったら即日いろいろなサイトで「解答速報」が掲載されます。そこで自己採点をして、筆記がクリアしていたらすぐに実技の練習を始めましょう。
合格した科目は三年間有効!
科目が多くて合格する自信がない…でも大丈夫!一度合格した科目は三年間有効になります。すなわち三年間、計6回の試験の中で筆記9科目と実技に合格すればよいのです。全科目勉強する時間が取れないのなら、今回は三科目、次回は四科目と自分のペースで確実に合格していくのもよいかもしれませんね。
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3人の子を持つ母親で元保育士。
早起きして高校生のお弁当づくりに励む日々を送っています。私の元気の源は推し活。推しってどうしてあんなに尊いのでしょうか。
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